カテゴリ:読書
村上春樹再読シリーズ、「ノルウェイの森」読了。
初読時とは違った感傷があって、なんだか物凄く胸が締め付けられたり、主人公の欠落してしまっている部分を比較的冷静に見ることができたりして、初めて読んでからまだ1年経っていないけれど、村上文学(小説部門)を一通り読んできたせいか、少し見方が違ってきたような気がする。 別にケチをつける気もないし、再読しても「ノルウェイの森」は大傑作であるという気持ちは変わらない。 何か心にぽっかりと穴が空いてしまった時に、この物語を読んだら多分私は涙が止まらなくなるか、直子やキズキ君と同じ道を辿るような気がする。少なくとも私はレイコさんのように自分の弱さを知りえた故の強さはないし、主人公のような人間にもなれない。私がなれるとしたら、せいぜい療養所の門番か、緑の姉の彼氏くらいなもんだろう。 この寒々とした寂寥感と鬱々とした森の深さにもめげず、最後に希望のようなものがあるのは、果たして救いになるのかどうか、ちょっと悩む。そりゃ主人公や緑にとってはその方が良いのかもしれないけれど。 結局半分眠っている今の頭ではうまい事は言えないのだけれど、透明感のある悲しみの中をくぐり抜けた末に待っている結末が、私にはうまく消化しきれていないのだ。自分の世界として、自分自身の壁として、乗り越えなきゃいけない部分なのかな…。 と、考えながら書棚に本をしまい、そのまま「国境の南、太陽の西」を取り出して読み出してしまった。本当なら時系列的に読んでいこうと、つまりは「風」「ピンボール」「羊」「ダンス」と読み進めていこうと思っていたのに。と、気づいた時にはもう島本さんと再会しているので、もはや後戻りはできなかったりする。(^^; 結局それが言いたかっただけかよwと言われるのは覚悟の上で最後に言うけど。 やれやれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.25 01:24:24
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