話飲徒然草(S's Wine)

2019/08/15(木)21:22

エディツィオーネ・チンクエ・アウトークトニ2015(ファルネーゼ)

イタリア(76)

いただきもののワインをピアット・デル・ベオーネさんに持ち込んでみました。 ファルネーゼの作る銘柄。セパージュはモンテプルチアーノ、サンジョゼーゼ、プリミティーヴォなど。 ヒュー ジョンソンの「何故土着品種で偉大なワインを造らないんだ?」という言葉から生まれました。エディツイオーネは「(書籍などの)版」、チンクエ アウトークトニは「5種類の土着の葡萄品種」の意味です。海抜500mのアブルッツォの畑から、58年樹齢のプーリアのサーヴァ村にある畑に至るまで、ユニークで樹齢が古く高品質の葡萄が出来る畑を選びました。ファルネーゼの契約する畑は30,000haありますが、エディツイオーネのために選ばれた畑は、僅か7haでした。プリミティーヴォは、樹齢が100年近く、生った実を2〜3ヶ月樹の上で乾燥させています。5種類の葡萄は別々に醸造・熟成します。丁寧に除梗します。マセラシオンとアルコール発酵は25日間。マロラクティック発酵はバリックで行い、1年間フレンチオークの新樽で熟成後さらに1年間瓶熟。サンジョヴェーゼよりも、モンテプルチャーノを長く熟成させることが多くなります。アブルッツォとプーリアの2州からの葡萄を使っているためイタリアの法律上ヴィンテージは表示出来ず、代わりにエディションナンバーが付けられています。サクランボやプラム、熟したブラックカラントの香り、タバコ、香ばしいトーストの香り。ベルベットのようになめらかなタンニン、バニラとチョコレートのスパイシィなフレイバーがあります。濃厚なソースを使った赤身肉やジビエと。またこれだけで、瞑想のためのワインとして。 一瞬、これってマグナム?と思ってしまうほど重厚でかさばるボトル。 内容的にもアルコール度14.5度と重量級ですが、磨き抜かれたツルッとしたテクスチャーとなめらかなタンニンとで、口に含んだ印象は思いの外軽やかです。 ギュッと詰まった果実と、伸びやかな酸とのバランスも良く、やや厚化粧気味ながらも上品なオークの風味と相まって、よくまとまっていると感心させられる一本です。市場価格は4k台、内容を考えれば穏当だと思います。 ★★★★

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