テーマ:通訳ガイド試験(38)
カテゴリ:語学・資格・学び直し
2019年度の通訳案内士の2次試験は、12月8日(日)に行われました。
受験した会場は、日大三軒茶屋キャンパス。同じ三軒茶屋といっても、我が家からは歩いて20分以上かかるところにあります。 ハローのサイトやESDICさんの講習でいろいろと情報を仕入れていましたが、実際に立ち会ってみて驚いたのは、なんともものものしい雰囲気でした。 係員の人数がやたら多く、カンニングや情報漏洩を極度に気にしているようで、面接に行きつくまで、何度か控室を移動させられました。私語は原則禁止。トイレに行く際は、係員がつきそいます。最初の控室で私の隣に座っていた受験生は、ESDICの曜日違いの受講生だったのでしょう。私と全く同じESDICの教材を復習していたので、話しかけたかったのですが、とても雑談できるような雰囲気ではありませんでした。 試験の集合時間は1時間ごとに分けられていて、それぞれ異なった問題が出題されます。 面接官はネイティブ1名、日本人1名の2名。 私の回は、以下のような出題でした。 プレゼン: (1)風鈴 (2)消費税増税 (3)道の駅 迷わず、ESDICの直前講習でテーマにあった「消費税増税」を選択しました。 風鈴も「基本英文300選」に収録されていますが、内容的に2分間もたせるのがシンドイかなと思いました。「道の駅」については、全く準備していませんでした。 日本では1987年に消費税が導入された。最初は3%だったが、1994年に5%、2014年に8%に上がった。その後政府は2度にわたり再度上げようとしたが、経済停滞のためできなかった。しかし、今年の10月1日についに消費税が10%に上がった。ただし、今回は、軽減税率制度を導入し、食料品と新聞には8%の軽減税率が課されることになった。たとえばコンビニで食品を買って持ち帰れば10%、イートインだと8%など、やや混乱している面があるが、軽減税率自体が導入されたのはよいことだ。(というようなことを話したところで2分終了の合図) ※終了後に気づいたのですが、最初の導入年の89年を87年とを間違えてプレゼンしていました。途中で一瞬試験官が怪訝そうな顔をしたのは、このためだったのかと合点がいきました。 *その後のの質疑応答 Q:消費税が増えた分は何に使われるのか →社会福祉や国の債務軽減にあてられる。 Q:コンビニのイートインで10%が適用されるときはどのようにするのか?自分で言うのか? →基本自分で申告。持ち帰るときは何も言わない。 →だったら、何も言わずに買ったほうがいいね。(といって笑いが起こる) 和文英訳:日本の祭りは、はっきりとした四季のある日本の季節と密接に関係しています。 春は田植えが上手く行くように、夏は疫病を追い払い、お盆は先祖の霊をお迎えするため、秋は豊作に感謝を捧げるため、冬は新年を迎えるためなどに祭りがあります。このように日本の祭りは日本人の心の拠り所になっています。 日本人の面接官が読み上げるものを1分半以内で訳すというものでした。日本人女性の面接官は外国生活が長いのか、日本語が若干英語なまりでした。「心の拠り所」というのをどう訳してよいか、すぐに出てこず、適当な言い回しで答えました。 このあと、すぐにシチュエーションスタディに移行しました。 シチュエーション:お神輿や盆踊りなどの夏祭りを見た外国人観光客が、自分も神輿担ぎや盆踊りなどに参加したいと言っています。通訳案内士としてあなたはどのように対応しますか。外国人試験官を観光客だと思って話をしてください。 神輿は、基本的に地元の住人が担ぐ決まりがあるので、少し難しいかもしれない。どうしても担ぎたいというなら担当者に確認する。盆踊りはだれでも自由に参加できる。 Q:盆踊りのときの服装は? A: 浴衣というカジュアルな着物で参加する人もいるが、ドレスコードはないのでどのような服装でも可。 Q:盆踊りのときに踊り手が持っているものはなにか? → ???意味がわからないが? → 木の棒のようなものだ → それは「よさこい祭り」のことではないか。よさこい祭りでは木のスティックを持って踊るが。 → たぶんそれのことだ。YouTubeで見たことがある。 ※試験官は本来「うちわ」のことを聞いていたのに、私が頓珍漢な返答をしたので、うまくフォローしてくれたのだと、自宅に帰ってからようやく気づきました。 Q:盆踊りでは食べ物を食べられるか? A:屋台で、お好み焼きやたこ焼きなどを食べることができる。 Q:ベジタリアン向けの料理もあるか? A:それは難しいかもしれないが、もし必要なら事前に動物由来の素材が入ってないかを確認する。 Q:祭りで金魚を獲っているのを見たが、あれはなにか? A:それは金魚すくいだ。子供たちに人気だ。金魚を獲れれば持って帰ることができる。 Q:獲った金魚は持ち帰れるのか A:持ち帰れる。ただし、最近は何匹とってもひとり1~2匹に限定されることが多い。 といったところで終了。思いのほかQ&Aが長くて、後半かなり会話がブロークンになってしまいました。とはいえ、総じて話がはずみ、感触としては悪くありませんでした。五分五分、もしくはそれ以上の確率で合格できたのでは、との思いを抱いて帰路につきました。 ところが、直後のうわついた気持ちがクールダウンしてみると、いくつか大きな間違いをしていたことに気づきました。 まず、前述とおり、 *消費税の導入年を間違えた。 *うちわのことがわからず、よさこいと答えた。 さらに・・ *イートインで何も言わずに買ったほうがよい?、という話のとき、法令遵守の立場で、それはよくないと伝えたほうがよかったのではなかったか? *神輿をかつぐことについては、いきなり否定的な見解から入らず、知り合いに相談してみるとでも言ってホスピタリティを示したほうがよかったのでは? *盆踊りの服装については、浴衣のレンタルサービスもできるので、紹介すると伝えたほうがよかったのでは? *屋台のベジタリアン用フードは考えてみればいくらでもある。(かき氷とか、べっこう飴とか・) そんなこんなで、思い返すたびに粗が目立つように感じられ、結果発表前には、これはダメかもしれないなあという気持ちのほうが強くなっていました。 合格発表は2月7日(金)でした。(この程度の試験で、なぜ発表まで2か月もかかるのかよくわかりません。) 結果は、当日、WEB上で発表でした。 案の定というか、予想通りというか、不合格。その翌日、自宅に不合格の通知が送られてきました。 覚悟していたとはいえ、その日は一日仕事が手につきませんでした。 「全国通訳案内士」受験記~その1(受験のきっかけ) 「全国通訳案内士」受験記~その2(1次試験) 「全国通訳案内士」受験記〜その3(1次試験参考書など) 「全国通訳案内士」受験記〜その4(ハロー通訳アカデミーとESDIC) 「全国通訳案内士」受験記~その5(二次試験に向けて) 「全国通訳案内士」受験記~その6(二次試験用教本・参考書) 「全国通訳案内士」受験記〜その7(2次試験直前セミナー) 「全国通訳案内士」受験記~その8(2019年度2次試験→不合格) 「全国通訳案内士」受験記~その9(翌年受験の準備とコロナ) 「全国通訳案内士」受験記~その10(ESDIC2次ZOOM講座) 「全国通訳案内士」受験記~その11最終回(2020年度2次試験) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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