BMW ハイプレシジョン インジェクション

BMWは

高圧にした燃料を精密に噴射できる

圧電素子（ピエゾ素子）のピエゾ式インジェクターと

燃料の噴射を拡散して燃焼を促進する

スプレーガイド（スプレーガイデッド）式を搭載した

ダイレクト・インジェクション（直噴）を日本市場には拡充していく予定

・・・・と

当時の日刊自動車新聞に記事が掲載されていました

BMWが

HPI/high precision injection（ハイプレシジョン インジェクション）の

N54エンジンに採用するピエゾ式インジェクターは

SIEMENS VDO（コンチネンタル・オートモーティブ）製で

ガソリンエンジンとしては


たしか世界初？


採用だったと思います



1：高圧ライン
2：ピエゾ式インジェクター
3：コモンレール
4：レール圧センサー（高圧センサー）
5：低圧ライン
6：低圧センサ
7：燃料供給制御バルブ
8：高圧ポンプ
9：高圧ライン

ピエゾ式インジェクターは

インジェクターの駆動にソレノイドバルブ（電磁弁）を使用しないで

電圧をかけると変形（圧電効果）するピエゾ素子を使い

可動部分を軽量・小型化することで

応答性がソレノイド式インジェクターの約２倍あり

精密な制御が可能になる高価なインジェクターになり

BMWのピエゾ式インジェクターの特徴は

基本的に三つのサブアセンブリで構成されていて

ピエゾ素子の膨張で

テーパ状の弁座からノズルニードルが外側に開きます



1：ピエゾクリスタル（通電無し）
2：ピエゾクリスタル（通電）



1：ノズルニードル
2：ピエゾ素子（ピエゾアクチュエーターユニット）と固定用クランプ
3：サーマルコンペンセーター
4：フューエルコネクター
5：キャリブレーション
6：電気コネクター

直噴エンジンは

シリンダー内圧力が１MPa（10bar）程度まで上昇する

圧縮行程時に噴射する場合があるので

昔だと５MPa～１０MPa（50～100bar）ぐらいで噴射していたと思うのですが

BMWを含めた、最近の直噴エンジンの場合は

ガソリンを微粒化させるため、最高２０MPa（200bar）ぐらいで

噴射させていると思います

BMW High Precision Injection


噴射の回数は

エンジンの負荷と回転に依存し

峠道の走行などの高負荷低回転「ローエンドトルク」運転域内の場合は

燃焼1回につき

最大3回に分けて燃料を噴射することで混合気を形成させ

エンジン出力を増加させつつ、低燃費をもたらしていると思います



1：シングルインジェクションイベント
2：ダブルインジェクションイベント
3：トリプルインジェクションイベント

また

エンジン出力を増加させるためではありませんが

ファーストアイドルでは

燃料を２回に分けて噴射する触媒早期活性化モード（最大60秒程度）を

備えていたハズで

燃料の主要量は

TDC/Top Dead Centre（上死点）前に噴射され、空気と混合されていた

と思いますが

排気ガス温度を上げるため

点火タイミングをTDC後に遅角させていたと思います

なので

点火前にピストンが下降し、混合気の点火性が低くなってしまうので

少量の燃料をTDC後の点火前に再噴射していたと思います



また

BMWのピエゾ式インジェクターからの燃料の噴射は

吸・排気バルブとの間のシリンダーヘッドの中心部に

スパークプラグと一緒に設置されるスプレーガイデッドが採用され

希薄燃焼（リーンバーン）であれば

燃料の噴射で成層化（混合気を濃い層と薄い層に分ける）する

第２世代のガソリン直噴エンジンの技術になります

スプレーガイデッド方式は

シリンダーやピストンを、噴射された燃料で濡らされるのを防ぎ

混合気の形成を空気流動やピストン位置に頼らないため

燃焼重心位置を自由に制御でき、最良の効率と希薄燃焼の範囲拡大により

低燃費を実現しようとする方法だと思います

ソレノイド式インジェクターについては

お時間があれば


t3109　BMW ハイプレッシャー フューエル インジェクション
http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/200912080000/


最後まで進化する高圧燃料ポンプについては


t3109　BMW 高圧燃料ポンプHDP
http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201011240000/


を閲覧して下さい



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AA Schultz（AA シュルツ）

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