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カテゴリ:自動車雑学
プリウス「空走する」理由トヨタ自動車は 新型の30型など4車種について ABSの制御プログラムを書き換えるリコールを発表しましたが・・・・ 先代の20型プリウスに搭載していた協調回生ブレーキは 「ECB(Electronically Controlled Brake system)2」と呼ばれる ブレーキ・バイ・ワイヤで 制動力は ブレーキペダルを踏む速度と角度をセンサによって検知して 目標ブレーキ力を割り出し 電動ポンプで作った油圧を 各輪のリニア・ソレノイド・バルブで制御し ブレーキキャリパーに伝える油圧ブレーキと モータの回生ブレーキで 必要な制動力を得る協調制御する仕組みになってたハズです 通常 「ECB2」の油圧ブレーキは ペダル(マスターシリンダー)からの油圧配管を 中間の切り替えソレノイドバルブによって遮断され ペダルを踏む力が直接各輪のブレーキキャリパーに伝わりません ペダルとブレーキ配管が遮断されると ブレーキの踏み応えがなくになってしまうので マスターシリンダーと切り替えソレノイドバルブの間に 「ペダルストロークシミュレータ」を設置し ペダルを踏んだときの反力を発生してたハズで ペダルは単なるブレーキのスイッチに過ぎないので 電源が落ちるとポンプを駆動するモータが動かず 制動力を発生できなくなってしまうので バックアップとしてキャパシタ(蓄電池)を電源として備えていたハズです 新型の30型プリウス、レクサスHS250h、SAIは 協調回生ブレーキの基本的な働きは同じだと思いますが 「ECB3」になり大きな変更点は アキュムレータ(高圧流体を蓄えておく蓄圧器)からの高い油圧が マスターシリンダーにも伝わって ハイドロブースタ(液圧式ブレーキブースタ)として機能してることで 電源が落ちポンプが動かなくなった場合 アキュムレータの高い油圧でハイドロブースタを機能させ ペダルを踏む力を倍力し各輪に伝えることができ キャパシタを省くことができたハズです 問題の ABS作動時の油圧ブレーキの発生手段は 先代の20型プリウスの「ECB2」は 電動ポンプによって発生する油圧を使用するのに対して 「ECB3」は ハイドロブースタを使用する機械式になっていることが相違点で ![]() 図のように電動ポンプの油圧と、ハイドロブースタの油圧では特性が異なり 踏力が0.3G以下の軽いブレーキ時でABSが作動すると 電動ポンプの油圧よりハイドロブースタの油圧の方が低いので 同じ踏力なら制動遅れが生じ 運転者が期待するほどの制動力を確保できず 「空走する」・・・だからクレーム・・・となってしまった・・・・・ ということだと思います トヨタの見解で 従来型に比べて長い・・・・電動ポンプよりハイドロブースタの油圧の方が低いから 十分に踏みば停止できる・・電動ポンプよりハイドロブースタの油圧の方が高くなるから 動作時間のプログラムを変更・・ハイドロブースタの油圧から電動ポンプの油圧に変更する ということだと思います ABS作動時に機械式に切り替える制御は 先代20型プリウスに ユーザーから電動ポンプの作動音、振動に関する不満が寄せられたことから 新型30型プリウスで機械式を採用することになり 真面目に ユーザーニーズを取り入れ商品力の改善に取り組んだことが リコール問題のきっかけになったことは皮肉な話・・・・・です ハイドロブースタは 油圧倍力装置で オイルポンプによる油圧を利用して力を増幅させるブレーキブースタ 真空倍力装置は、エンジンなどの負圧利用するブレーキブースタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 14, 2010 03:03:10 AM
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