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たばちゃん♪の いいもん見っけ!

たばちゃん♪の いいもん見っけ!

ピンクのドレス ~白ずきんちゃん 2~

太陽に誘われて旅人がコートを脱いだように。

真冬の太陽をいっぱい浴びて、たばちゃん♪は
ご自慢の白ずきんを 脱ぎ始めました。


1枚、また1枚。

いつしか たばちゃん♪のアタマは、数ヶ月前とは
くらべものにならないくらい、軽くなっていました。




ある日、妙に肌寒さを感じた たばちゃん♪は、
ショーウィンドウに映った自分の姿を見て、びっくりしました。

着ているドレスが、破けていたのです。


でも、たばちゃん♪が びっくりしたのは、
服が破けていたからでは ありませんでした。

自分が着ているのが、大事にしまってあるはずの
お気に入りの薄いピンクのドレスだったからです。



たばちゃん♪は、今日 そのドレスを選んだつもりは
全然 ありませんでした。


でも、このドレスを着ていると、みんなが「キレイだね」と
褒めてくれるからでしょうか?

自分でも気づかないうちに、ことあるごとに ほぼ毎日
‘勝負服’として このドレスに袖を通すようになっていて・・・

ご自慢のピンクのドレスは、くたびれ、破けていたのでした。





そういえば、思い当たることがありました。


数週間前、歌うたいのおねーさんに ステージ上に呼ばれた
たばちゃん♪は、そのドレスに着替えなきゃ!と 慌てました。

そのとき、たばちゃん♪は セーターとスカートだったので
キレイな歌うたいのおねーさんの近くへ行くには、
ドレスに着替えなくてはならなかったのです。


でも、歌うたいのおねーさんは 優しく言いました。

ちがうねん。
そのドレスを着てるたばちゃん♪じゃなくても ええねん。




呼ばれた瞬間 着替えようと慌てふためいた自分自身に、
どこかヘンだな?と気づいていた たばちゃん♪は・・・

彼女の言葉で、自分の考えが正しかったことを知り、
それを見ないようにして そっと心の蓋を閉めたのでした。





だけど、今。

たばちゃん♪は、ショーウィンドウに映った自分の姿を見て。
はっきりと ドレスの正体をも 見てしまったのです。


私は、この ピンクのドレスを着ることで
自分に価値があるかのように見せていたのね。




このドレスは、たばちゃん♪のお気に入りの装いでは
あったけれど。

これが いつのまにか 自分の‘勝負服’になっていたこと、
しかも 自分が 無意識のうちに それを選んで身につけていたこと。

それを知った たばちゃん♪は とてもショックを受けました。


この服、お気に入りだったけど、捨てた方がいいのかしら。
結構 高かったし、着心地はいいから もったいないんだけど・・・






でも。

白ずきんを たくさん かぶっていたときとは違い、
たばちゃん♪は すでに わかっていました。


この服も、無意識のうちとはいえ、私が選んで着ていたのよね。
私が 自分で ‘勝負服’として活用していたのよね。




たばちゃん♪は、そのドレスが、破けているとはいえ、
まだまだ着られる質のよいものであることも 知っていました。



そうね。
これからは‘勝負服’としては着るつもりはないけれど・・・


その服は、捨てずに 持っていることにしました。






そのとき。

たばちゃん♪が姿を映していた ショーウィンドウの、
お店の中の様子が目に入りました。


売り場では、美しいおねーさんが 服を選んでいました。

そのおねーさんは、試着室から出てくると、自分の姿を 真正面から
鏡に映し、しっかりと 見つめていました。





その姿を見た たばちゃん♪は、あることを思い出しました。

そういえば、このドレス。
もとはといえば ビジネススーツだったんだわ・・・




そうなのです。
もともと、その服は、お仕事用に買ったものだったのに。

たばちゃん♪は、それを なぜか パーティー用ドレスとして。
自分を美しく見せる道具として。

ことあるごとに 無意識のうちに それを選び続けていたのでした。

自分は そのドレスを身に着けていることで価値があるのだと
どこか深いところで 固く信じ込んで。





だけど、たばちゃん♪は、その美しいおねーさんが
しっかりと鏡に目を向けている姿を見て、なぜか気づいたのでした。


・ドレスに 価値証明を くっつけない

・自動的に手を伸ばすのではなく、必要なときに 自分の意志で
その服を選ぶ


この2つができるなら、その服を捨てる必要がないことに・・・。

そして、お仕事服としても活用できることに・・・。









たばちゃん♪は、いつでも好きなときに その服に袖を通すことが
できる、ということを 心の中で確認して。

とりあえず その服を 洗濯することにしました。




いつでも 選択できるように。














≪たばちゃん♪自作自演ドラマ ☆ 白ずきんちゃん・2≫

【企画】たばちゃん♪
【構成】たばちゃん♪
【脚本】たばちゃん♪
【プロデューサー】 たばちゃん♪
【ディレクター】 たばちゃん♪
【アシスタント・ディレクター】 たばちゃん♪
【音楽】たばちゃん♪
【制作】たばちゃん♪
【主演】たばちゃん♪
【助演】歌うたいのおねーさん Fちゃん。美しいおねーさん Mちゃん。
【原作】白ずきんちゃん

↑ エンドロールのつもり






【2008年3月14日】 ピンクのドレス ~白ずきんちゃん 2~





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