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テーマ:ミステリはお好き?(1579)
カテゴリ:外国人作家
もう表紙からコージーってまるわかり!(笑)のジル・チャーチルです。
これって・・・「罪と罰」のパクリだよ!と手にとったのです。 『ゴミと罰』(東京創元社) ジェーンの朝は、三人の子供たちを起こして回ることから始まる。裏庭恐怖症の飼犬君にはえさ、えさ。平凡な一日?でも、今日はいつもと様子が違う。 お隣で、掃除婦さんが掃除機のコードで首を絞められ、殺されてしまったのだ。おまけに疑われたのは近所の主婦一同。我が家を守るため、ジェーンは探偵役を買って出たが・・・。 ジェーンは30代の未亡人で、3人の子持ち。 事故で死んだ夫の秘密。同居を狙う嫌味な姑との攻防戦。生意気盛りな子供たち。完璧な整頓能力を持つ隣人で親友シェリィとの地域活動に学校奉仕活動。 毎日平凡ながらも忙しい、戦争のような生活。 そんなジェーンのところに殺人事件と素敵な刑事が飛び込んできたわけです。 なにが面白いかと云えば、テンポのいい会話! たとえばティーンエイジャーの娘ケイティとジェーン。 「日焼けコースのお金よ」 「お断り・・・(略)・・・三十五までに皮膚癌になってるわよ」 「三十五!そんな歳になって誰が気にするもんですか!」 「あんたが気にするわ。ママのせいにして」 親友シェリィとは、こんな感じ。 「先週買ったあのさくらんぼ色のセーター着なさい」 「紺の縁取りのある緑のはだめ?」 「ジェーン、いつまでも隠してたら親友とは言えないわね。あの緑のセーター着てると、6クォート献血してきたばかりみたいに見えるのよ」 「それでみんな、あれ着ると親切にしてくれるんだ」 日常生活でユーモアを交えて会話するって難しくもあり、最高に楽しいことでもありますよね。 それにしても主婦の忙しさをひしひしと感じる作品です。 お母さんの大変さは万国共通です。 主婦探偵ジェーンシリーズは今のところ翻訳されているのは8作。 成長する子供たちとの生活の変化、そして素敵な刑事さんとの恋のゆくえが描かれてます。 ええ、そうです。翌日、総て買い揃えに行きましたよ!(例によって) しかし、どのタイトルも笑えます。 『毛糸よさらば』『死の拙文』『クラスの動物園』『忘れじの包丁』『地上より賭場に』『豚たちの沈黙』『エンドウと平和』 ね?元のタイトルを連想するのも楽しいシリーズです。 この連作でたばさのお気に入りの一冊は『豚たちの沈黙』です。 正直で優しい長男マイクは大学進学目前。そんなマイクにジェーンは欲しがっていた車を買ってあげます。新車を自慢げに乗るマイクにジェーンはわが子が巣立つ時期が来たことを感じるのです。 もう、マイクが本当にいい子で、いい子で! 子供を見れば、おのずとどんな親かどんな育ち方をしたのかわかります。 子育てって人生で一番難しいことなのでしょうね。 ![]() 2002年からはグレイス&フェイバーシリーズ『風の向くまま』『夜の静寂に』が翻訳されてます。 こちらは没落してしまった兄妹が相続した屋敷でくりひろげる脱貧乏!なお話です。 もちろん!事件に巻き込まれながら(笑) まだまだ未翻訳の多いジル。 ああ、どちらも新刊を出してー!!東京創元社さーん!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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