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テーマ:ミステリはお好き?(1579)
カテゴリ:外国人作家
本日、怒涛の更新(笑)
ポーラ・ゴズリング『モンキー・パズル』(ハヤカワ文庫)を読了。 冬のオハイオの小さな町の大学で、胸をめった刺しにされ英文学の教授が殺された。その上彼の舌は抜かれていた。彼は同僚たちの嫌われ者で、人の秘密を見つけてはあてこするような発言を続けていた。目的は金ではなく趣味として。 病み上がりで捜査をはじめたジャック・ストライカー警部補の前には、癖のある被害者、そして同じように癖のある沢山の容疑者たちが立ちふさがる。 互いに庇いたてする容疑者たち、行方をくらましてしまう男、自白して自殺未遂をする教授。 やがて被害は広がっていき、学部長が耳を切り取られる事件まで・・・。 「猛烈刑事」ジャック・ストライカー警部補は読んでいくうちに、じんわりと好きになっていくタイプです。同僚のトスカレリ部長刑事(ストライカーの面倒を見るのが勤めかも)とのやりとりがいいですね。 さて読後の印象は、ストライカーは探偵ではなく「刑事」だということ。 読者はストライカーたちが集めた証拠や証言をもとに推理しなさい、って感じでしょうか。 あ、もちろん、きちんと伏線はあります。 個人的にはややロマンス小説じみたところがあったと思います。 といってもヒロインとなる女性は仲間を庇おうとしすぎて、キャンキャンと吠え噛み付きたがる小型犬のイメージで、私的には・・・む~ん(笑) それにしても「見ざる、聞かざる、云わざる」の「三猿」って世界的なんですねぇ。 「See no evil, hear no evil, speak no evil.」ていうのは知ってるのですが。 「わたしが犯罪の現場に行ったとき、ます見るものは被害者だ、ケイト。そして、無駄に失われた命に腹が立つ。のちに、もし犯人を捕らえたときには、そこに別種の被害者の姿を見る。そして、そのことについても腹を立てる(略)」 ストライカーの猛烈な捜査の根幹は怒りなんですねぇ。 【本日の購入本】 『殺意のバックラッシュ』ポーラ・ゴズリング(早川書房 ハヤカワ文庫) 『殺戮』ポール・リンゼイ(講談社 講談社文庫) 『QED 熊野の残照』高田崇史(講談社 講談社ノベルス) 『雨の上がる場所』桜木知沙子(成美堂出版 クリスタル文庫) 『無作法な紳士』榎田尤利(ムービック ゲンキノベルズ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月02日 09時44分18秒
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