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テーマ:ミステリはお好き?(1580)
カテゴリ:外国人作家
アーロン・エルキンズの『骨の島』(ハヤカワ文庫)を読了。
![]() イタリア貴族の当主ドメニコは姪に信じがたい言葉をかけた。「私の子を産んで欲しい」と。時は流れ、産まれた子は、実業家として財を増やそうとする。だが、その矢先、一族の人間が誘拐され、さらに前当主のドメニコの白骨死体が地中から発見された。調査を始めた人類学教授ギデオンは、骨に隠された一族の数々の秘密を知ることになるが・・・。 ここしばらく江戸時代にタイムスリップしていた私の脳には「ヴィンツェンツォ・デ・グラツィア」とか「カラヴァーレ」とか云う名前が辛かった(涙) 字面を追っていてもつい音に変換していまうじゃないですか。私は舌カミカミ。 イタリア人の発音ってすごいなぁ、尊敬。 キデオンもアメリカ人なんだから、北アメリカでスミスとかブラウンとか云う人たちと仕事してくれ~(涙) しかし、ギデオン・オリヴァーの今までの活躍はほとんどが外国だったんですよね。 『古い骨』『洞窟の骨』はフランス。『呪い!』ではメキシコ、『断崖の骨』ではイギリス、『氷の眠り』ではアラスカ。『使者の心臓』ではエジプトで『楽園の骨』ではタヒチですから。 今回は友人フィルとの休暇で夫婦でイタリア、ミラノへ。 スイスとの国境に近い、マッジョーレ湖に面したストレザが舞台。 そして、いつものごとく白骨の鑑定に駆り出され、いつものごとく殺されそうになります(笑) 読後の感想は以下反転(ネタバレではないです) う~ん・・・。 だろうな、という予想がついていたのでギデオンの鑑定のどんでん返しの効果が薄れてしまっていたような。 それとも私の「うきうき!新刊!!」の意気込みが悪かったのか・・・。 まあ、ギデオンに再会できたのでいいかな?甘口な感想です(笑) 内容とは別に「宮殿の立つ一族の島」っていうのが見たいなぁと思いました。あと、お約束の美味しそうな料理(笑) 「ピッツァ・クワットロ・スタジオーネ」アーティチョーク、ハム、オリーブ、マッシュルームが四つに区分けされトッピングされたピッツァ(涎) ミラノ風リゾットに小エビとムール貝のマリネ!ミラノ風カツレツ~! 私にはちょっぴり不満が残った今回のギデオン・オリヴァーでしたが、アーロン・エルキンズを未読の方にはぜひ、モン・サン・ミシェルを舞台に活躍する『古い骨』を読んで欲しいなぁと思います。 早川書房から新装版で、現在2作品が出版されてます。 ![]() レジスタンスの英雄だった老富豪が、北フランスの館に親族を呼び寄せた矢先に不慮の死を遂げた。数日後、館の地下室から、第二次大戦中のものと思われる人骨の一部が発見される。フランスを訪問中だった人類学教授ギデオン・オリヴァーは、警察に依頼され人骨を調べ始めるが、今度は親族の一人が毒殺された!骨を手がかりに謎を解く、スケルトン探偵オリヴァーの名推理。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。 ![]() 人類学教授ギデオン・オリヴァーは、マヤ遺跡の発掘に協力するため、メキシコへ飛んだ。遺跡から人骨が見つかり、彼が鑑定を依頼されたのだった。だがそこで、奇怪な事件が起きた。人骨のそばで発見された古文書の呪いの言葉どおりに、オリヴァーと発掘隊員に災厄が降りかかりはじめたのだ。そして、ついに殺人が!鬱蒼としたジャングルの中の呪われた遺跡で、スケルトン探偵が推理の冴えを見せる本格ミステリの醍醐味。 以下はまだ、新装版はありませんが、多分これから随時出版されるはずのシリーズ作品です。 『暗い森』(妻ジュリーとの出会い編)と『断崖の骨』(新婚旅行編)は上記の新装版作品よりも先に発表されているお話ですが、特に順番にこだわらなくても読めると思います。 『暗い森』 THE DARK PLACE(1983) 『断崖の骨』 MURDER IN THE QUEEN'S ARMES(1985) 『氷の眠り』 ICY CLUTCHES(1990) 『遺骨』 MAKE NO BONES(1991) 『死者の心臓』 DEAD MEN'S HEARTS(1994) 『楽園の骨』 TWENTY BULE DEVILS(1997) 『洞窟の骨』 SKELETON DANCE(2000) ハヤカワ・ミステリアスプレス文庫は現在廃刊になっているようなので、古書店で探すか(楽天ブックスには少しあるようですね)新装版を待つしかないかもしれません。 未訳の「FELLOWSHIP OF FEAR」も気になります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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