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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:外国人作家
ディック・フランシス『反射』(ハヤカワ文庫)
『反射』 競馬写真家のジョージが交通事故で世を去った。騎手にとって屈辱的なシーンばかりを撮り続けた彼の死を悼む者は少ない・・・そのジョージの家に二日連続で正体不明の男たちが押し入り、室内を物色していく。果たして彼らの目的は?ひょんなことからジョージの隠し持っていた一見失敗作に見える大量のフィルムを手にした騎手のノアは、自らの趣味である写真の知識を駆使し、そこに隠された秘密の解明を試みる。試行錯誤のはてに複雑なパズルを突破したノアの眼前の浮かび上がったのは、競馬界を揺るがす衝撃の画像だった! 2冊目のディック・フランシスです。 主役は障害を中心に活躍する騎手のお話ではありますが、今回は写真を中心に競馬界の裏を暴くことになります。 落馬する瞬間など、人の屈辱的な場面ばかりを撮る写真家ジョージが事故で亡くなっても、家族以外は誰も悲しむことはなかった。もちろん騎手のノアも。 しかし、同じ騎手のジョージの息子スティーブから度重なる不幸の数々を聞くうちに、ジョージが脅迫をしていたのでは、と考える。 実際にジョージの撮りためたフィルムの中から、写った人間にとって脅威になる画像が現われる。 そんなノアの前に、幼い頃自分と母親を捨てた祖母の代理がやってくる。ノアには存在の知らない妹がいて、その娘に祖母は遺産を残したいらしく彼女を探せというものだった。 ジョージの写真の中身、競馬界でのいかさま、憎しみあう祖母との関係、妹探し。 そして自分自身の騎手としての生活への不安と疲れ。 幼い頃から流れに身を任せ続けてきたノアがそれぞれの問題をどう決着をつけていくのか。 今回も一気に読んでしまいました。特に写真の各種現像の仕方などは面白かったです。 しかし、難点もいくつか。 中途半端に感じた妹探しや、(前回も思ったのですが)いまいち魅力的に写らないヒロインがね。 しかし、知らない世界を垣間見ること、そしてスリル、主人公の憤りなどは読み応えがあると思います。 またいろいろ探してみようかなと思ってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月02日 09時41分07秒
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