|
テーマ:ミステリはお好き?(1579)
カテゴリ:外国人作家
ディック・フランシスの『標的』と『帰還』(ハヤカワ文庫)は読了しました。
『標的』 念願の作家としてスタートを切ったサヴァイヴァルの専門家ケンドルは、有名調教師トレメインの伝記執筆を引き受け、彼の厩舎に赴いた。だが到着早々、行方不明だった女性厩務員の他殺体が発見され、ケンドルは警察に協力を要請される。やがて、容疑者と目された隣人が何者かから謎の呼び出しを受け、ケンドル自身にも犯人の魔手が…サヴァイヴァルのプロがその知識と技量を尽くして立ち向かうことになる非情の罠とは。 一冊目の本が出版されるところ、という駆け出し作家のケンドルは、寒さと貧困に耐えかねて伝記執筆の仕事を受けた。 依頼者トレメインとの関係はすこぶる良く、彼の家族にも受け入れられ順調な滑り出しをしたが、ある白骨遺体が発見されたことで、事件の渦中へ。 今回はサバイバルに長けた、駆け出し作家が主役です。 なので、作中でも火の起こし方から、嵩張らない、でもとても役立つキットのことなど、読んでいて「ほう!」とお勉強になるものでした。 しかし、この知識がかえってケンドル自身を危険な目に合わせてしまうことに。 ラストに関しては難しいところですが、私もケンドルだったらこの行動をとると思います。 微妙なんですけどね。 私はこの本、結構好きです。 『帰還』 ![]() 外交官のダーウィンは、結婚する娘を訪れる友人夫妻に付き添い、偶然にも幼年時代を過ごした思い出の地に帰郷することになった。娘の婚約者ケンは優秀な獣医なのだが、最近彼が手術した馬が次々と原因不明の死を遂げていた。さらに、一行が到着して早々、病院が放火され、焼け跡からは身元不明の死体が発見される。ケンの窮地を救うべくダーウィンは調査に乗り出すが、事件の謎を解く鍵は彼の過去の記憶に隠されていた。 たまたま知り合った夫婦に難に付き合って、思い出の地に帰郷することになったダーウィン。 ところが行ったその先では、彼らの娘の婚約者で獣医のケンにもっと大きな災難が降りかかっていた。数ヶ月でケンの手術や手当てを受けた8頭の馬が死に、病院は火事。放火なうえに焼け跡から死体が出てくる。 ダーウィンは幼い頃の記憶から、ケンの父親や馬主、調教師たちの数々の噂を思い出すのです。 今回はちょっと名前だけ登場する人物が多くて、ちょっと困惑(笑) そして主人公は外交官です。イギリスの外交官の実情が判って面白い。 家族以外には嘘をつくっていうのが特に(笑) そしてダーウィンはなんと日本に赴任していたことになっていて、その日本観が割りと好意的でしたね。でもこれも伏線のひとつなのかも。 あー、でも今回の殺人の場面はちょっと・・・(汗)なにもそんなことしなくても!的でした。 さて、ディック・フランシスも4冊ですが、『標的』以外のすべてで難点が。 それは、主人公の恋人がどうにも魅力的じゃないこと。 老婦人などはとっても素敵な人が多いのに、なんで??と思ってしまいます(笑) 主人公は誰もが、聡明で何事にも公平で素敵な人たちなので、余計に勿体無い感があります。 それともこれは、私の焼きもちなのかしら(笑) どちらにしても、ディック・フランシスの書く緊迫感はクセになるので、また読んでみたいと思います。いつか、素敵がレディが出てくるかもしれないし(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月02日 09時40分07秒
コメント(0) | コメントを書く
[外国人作家] カテゴリの最新記事
|
|