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テーマ:ミステリはお好き?(1580)
カテゴリ:外国人作家
ジル・チャーチル『闇を見つめて』(創元推理文庫)
![]() 世界大恐慌で全財産を失ったロバートとリリーの兄妹がヴォールブルグに来てから間もなく一年。長引く不況が町に影響を及ぼすなか、リリーは金持ちのふりを続けることに疑問を感じていた。そんなとき、ロバートは敷地内の氷貯蔵小屋で、ミイラ化した死体を見つける。一方、リリーも地元婦人会絡みの殺人事件に巻き込まれてしまい・・・。 グレイス&フェイヴァーシリーズ3作目。 さて、貧乏な兄妹の嘘な生活は続いていましたが、世界恐慌のおり長引く不況で、誰もが生活に困りだしています。 次第に「お金持ち」である嘘をつき続けていることに二人は肩身の狭い思いをするのです。 この世界恐慌は日本にももちろん影響を与えていて、この話の舞台として書かれた1932年には5.15事件で犬養毅氏が暗殺され、日本が軍国主義へと変わっていった時期でもあります。 ちなみに私のママンはこの年の生まれ(笑) しかし、男達は仕事にあぶれ、不況に苦しんでいる時代の話を読んでも、いまいち納得も共感も覚えない。戦時中や戦後混乱期の日本の話を母から聞いていたせいでしょうか。まだどこかにアメリカの余裕のようなものを感じてしまいます。 ま、どちらも私は経験していないのですから、偉そうなことは云えませんね(汗) 今回は、氷貯蔵小屋で見つかったミイラ死体に、町の婦人会で知り合った女性の夫が殺害と二つの事件が発生します。 不況の中で自分たちの生活を立て直そうとする人々、ボーナス行進やそれに対する鎮圧など世情も書き込まれた内容でした。 う~ん、やや堅めかな。 笑ってすっきり解決!という展開ではないので、今回読み終わるのに時間が掛かりました。 しかし、解説に書かれた未訳本のリストにムキー!! 何度も書きますが。 頼みます、あと7作ジェーンシリーズ出してください、東京創元社さん!(涙) グレイス&フェイヴァーシリーズ ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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