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テーマ:時代小説がダイスキ(438)
カテゴリ:時代小説
澤田ふじ子さんの「公事宿事件書留帳シリーズ」である『闇の掟』と『木戸の椿』(幻冬舎文庫)の感想です。
![]() 京都東町奉行所同心組頭の家に長男として生まれながら、訳あって公事宿(訴訟人専用旅籠)「鯉屋」に居候する田村菊太郎。京都の四季の風物を背景に、人の心の闇に迫る菊太郎の活躍を追う時代小説シリーズの第一作。鯉屋の主一行が景気払いに出かけた途中で狙撃された。難航する犯人探索の中、菊太郎の推理が光る「闇の掟」ほか、全七編を収録。 ![]() 京都東町奉行所同心組頭の家に長男として生まれながら訳あって京の公事宿(訴訟人専用旅篭)「鯉屋」に居候する田村菊太郎。武士を捨てながらも、同心の弟を助け事件を解決していく。母と二人で貧しく暮らす幼女がかどかわされた。菊太郎が突き止めた犯人の意外な目的とは?「木戸の椿」ほか、全七編を収録した連作時代小説シリーズ第二作。 18歳の頃までは、文武に秀で「神童」とまで云われた菊太郎は突然豹変し、遊蕩するは喧嘩をするは最後は義母の金を盗んで出奔してしまった。 その菊太郎がまた京へ立ち戻り、父親の知り合いでもある公事宿「鯉屋」に居候している。 そこに持ち込まれる公事の裏を推理して解決していくお話です。 菊太郎は父親が外で作った子供。出来の良さから嫡子として周囲からも不満がなかったのですが、本人は正妻の子鐵蔵に跡を継がせるためにグレた振りで家を出たのです。 しかし、もとは「神童」とまで呼ばれ、放浪の旅での経験から身に着けた深い洞察力、そして同心の息子として事件に対する探索や吟味に興味を持つ菊太郎としては、公事宿にもたらされる事件に手を出してしまう。 弟鐵蔵の尻を叩き、事件を解決していくうちに奉行所でも一目置かれ、吟味方与力になってくれと請われるほどに。 当の本人は「鯉屋」の飼い猫お百とのんびりしながら酒を飲んで、惚れた女と暮らせれば、と欲がありません。 この猫のお百とのやりとりが好きです(笑) 京都を舞台に、粋でいなせで、と云う江戸ものとはまた違った時代小説もいいなぁと思う作品です。 続き、早く手にいれよう!(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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