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テーマ:ミステリはお好き?(1600)
カテゴリ:日本人作家
恩田陸さん『MAZE』(双葉文庫)
![]() アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。その「人間消失のルール」とは?謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちは、果たして真相を掴むことができるのか?異国の迷宮を舞台に描かれる、幻想的な長編ミステリー! 冒頭は白い建物の中で消えてしまった人たちのお話から入るのですが、「これから私はどんな世界に連れていかれるんですかー!?恩田さん!」とう感じなんです。 荒野の丘にポツンと建てられた白い建物。周りを取り囲むように生えている棘のある植物を抜けていくと、つい入ってしまいたくなるような切れ目のような入り口がひとつ。 中はただひたすら狭い通路が続くだけなのに、気がつくと一緒に入った人が消えてしまう。 それこそが「存在しない場所」「有り得ない場所」として、長年行方不明者を出してきた建物なのです。 年季の入ったフリーター、時枝満は学生時代の友人、神原恵弥に法外な報酬でこの地に呼び出された。 神原恵弥は眉目秀麗で頭もよく、腕っ節も強い、いわば男の敵にような男だが、常に女言葉を使い「うふふ。ひ・み・つ!」とか云ってのけ周囲を引かせるような人です(笑)とはいえ一癖も二癖もありそうな人物であることは間違いないですが。 そんな神原が満へ頼んだのはコック兼安楽椅子探偵。 いろいろな経験を積んでいる満に美味しい料理を作らせつつ、問題の建物で一体何が起こったのか推理して欲しいと。但し、建物に入ってはいけないという条件で。 感想は。 満の推理が面白かったです。現実よりも。 しかし、ファンタジーと現実も区分けが微妙なので「スパッと解決してよ!」と思う方には向きません。 恩田さんの世界が好き!という方には面白い作品かなぁと。 読後感のこの微妙な落ち着かなさが、たばさはクセになるのです。 恵弥の第2弾『クレオパトラの夢』はどんなお話なのかちょっと楽しみです。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月01日 14時43分01秒
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