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醸華町、と呼ばれる町があります。東広島市、西条。あんまり知られていない気もするけれど、灘、伏見と並ぶ三大酒どころの一つです。
年に一度、新酒のできる秋に開かれるお祭りが、西条酒まつり。JR西条駅を出ると大通りがまっすぐに伸び、両脇に屋台が出ています。誘われるように歩けば、メイン会場にたどりつきます。千五百円のチケットを買って、全国の銘酒を呑み比べるもよし、メイン会場の仮面ライダーショーに興じるもよし。 私たちはメイン会場で肉まん食べて、とりあえず腹ごしらえ。この日は西条の各酒蔵が工夫をこらして開放されているのです。せっかくだから全国のお酒より西条のお酒呑みたいし。無料試飲もときどきあるし。(それが目当てか。)では出発! 亀齢の百円試飲の純米大吟醸、フルーティでとっても美味でございました。広島の酒は女酒、軟水で仕込まれるので口当たりが優しく甘口です。私はこの蔵のお酒がお気に入り。普段からよく飲みます。 その先にある、賀茂泉が酒蔵(というか工場)をそのまんま公開していました。水から作る酒造り。こうじの発酵室には三角フラスコと保温機がありました。酒造りは科学だ!ここでは三百円で古酒の燗を試飲。琥珀色でまろやかな味。連れは純米大吟醸の冷を呑んで感動し、結局一本、ご購入。 西条鶴では、江戸から明治から使われて来た木造の蔵の、優しい木の黒色が印象的でした。いい天気なのにひんやりと静かで穏やかでした。ここの試飲は無料。くせがなくて呑みやすい、いいお酒。今回、一番気に入った味でした。 西条は田舎なので道端に台をおいて柿なんか、売っていました。茸の炊き込みごはん。栗ご飯。 酒蔵の白壁の合間に、稲刈りを終えた小さな田んぼが、ほかりと広がっていたりします。 祭りを終えると静かな町です。エノコロ草が、乾いて風に揺れる。私はこの町の人たちの引っ込み思案な喧騒がとても好きです。 おいでませ、広島に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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