テーマ:本のある暮らし(3285)
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同僚が某営業所に電話をかけては首をかしげます。
「あれ。ここ、もう廃止になったっけ?」 「えっ、あるよ?」 「だってあんな顧客数すくないとこなのに、電話がなんべんかけても話し中で通じない。」 受話器を彼女から受け取りました。 「それはねえ、真心が足りないんだよ。私がかけたげる。」 半ば冗談だったんですけど、ダイヤルしたら一発で通じました。えへん。 機械とお話する、という感覚を私にくれたのは、佐藤さとるの「あかんぼ大将」シリーズです。シリーズっていっても、二冊しかなかったかな。うろ覚えなんですけど、この本によると、誰でも人は赤ちゃんのときは、「動植物の言葉」か「機械道具の言葉」のいずれかひとつ、話し聞くことができたんだそうです。人の言葉を覚えるうちに、いつか人外の言葉をなくしていく……。「あかんぼ大将」シリーズの主人公の赤ちゃんは、「動植物の言葉」「機械道具の言葉」どちらをも理解できる天才ベイビーなのですが、まあそれは縁があるときに読んでいただくものとして。 私はたぶん、「機械道具の言葉」がわかってた赤ちゃんだったんじゃないかしら。 たとえばコピーをとるときに「おねがい」ってつぶやいておけば、紙詰まりしなかったりするのです。 季節はずれの人事異動の発表がありました。巻き込まれて勤務地が代わります。 初めての場所、初めての人たちとの職場において、どうぞ私のまわりの機械道具が、私を助けてくれますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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