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2010/03/10(水)07:53

今はもういないあたしへ

読書日記(365)

今はもういないあたしへ… 今はもういないあたしへ… 新井素子 早川文庫 こないだ桜庭一樹のファミリーポートレイトを読んだの。そうしたら、主人公の少女コマコが海を擬人化した物語を読んだって言ってた。コマコの読んだ小説はわからない。だけど、思い出したのが、ネプチューン。新井素子のSF中編。早川文庫の中に入ってた。文庫のタイトルは確か、「今はもういないあたしへ…」実家の本棚にあるけど、里帰りより図書館が近い。図書館のHPで検索する。うん!みつけた。おとりよせ。 ネプチューン、読み返す。海の化身の女の子の話だって記憶があったけど、違った。彼女は「進化」の化身だったのね。 怖い話、怖い無垢、強烈な意志。 あなたにあいたい。時を超えて。意味をなくす。衝動だけが進化をおこす。あいたい。 いい意味で、おんなのこにしか書けない文体で、書けない小説だと思う。 だから新井素子は大好き。今の素子さんも好きだけど(新作まだ読んでないからわからないけど、)このころの素子さんも好き。 好きなことを好きなように自分のために楽しんで書いて、それが、楽しい。 私がコバルト文庫を知ったとき、ヒットメイカーは氷室冴子と新井素子だった。児童文学は物足りなくなってきていて、大人の本は恋愛ものが多くて苦手。名作はおもしろいのもあるけれど、往々にして、固すぎる。そんな、セーラとかジュディとかを読み終わった後に出会った少女小説が、「シンデレラ迷宮」で、「星へ行く船」で、良かった。ほんとに、よかった。 長生きしてね、素子さん。

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