2010/06/27(日)18:48
ラブリーボーン
ラブリー・ボーン
映画になっているから、読みました。
「ラブリー・ボーン」
アリス・シーボルト著 片山奈緒美訳 角川書店
映画は観ていません。だけど、CMで見かけた少女が、はかない頬で、不安な表情を浮かべているのがあまりに可憐で、小説の方から手をとりました。少女が映像に棲むものなのか、ストーリーに棲むものなのか、確かめたかったのかもしれません。
死んだあと。
私が死んだあと、誰か、悲しむかしら。
どんな世界になるのかしら。
忘れないでいてくれるかな。
うんと悲しんで欲しいけど、あんまり痛まないで欲しいの。
笑っていて欲しいの。
だけど、笑っているだけじゃかなしい。さみしい。帰れない。会えない。手が伸ばせない。
そんな。
センチメンタルな話って言ってしまえばおしまいだけど、ピュアな物語だって受け止めたらいい。
時系律がつかみにくくて、それはちょっと読みにくかったかな。感覚的なの。泉鏡花読んだときみたいな感覚。
死者はどこにも行かず、わたしたちを愛している。