056492 ランダム
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食べ頃わんこの楽しい日々

食べ頃わんこの楽しい日々

こみっくパーティー

こみっくパーティー


レビュー


この作品は、発売前からずいぶん色々と騒がれた作品でした。
原画家の、みつみ美里さんや甘露樹さんを他の会社(F&C)から引き抜いて、
新しいLeafのブランドともいえる東京開発チームを作り
そのチームが発売した作品です。
この作品の前の作品である『WHITE ALBUM』は、
発売当初は、正直『To Heart』よりも評判にならず、
「少しこけた」というイメージがありました。
(時間が経つにつれ、評価は上がっていくのですが)
そのため、
「次の作品は、絶対にまた評判作を作っていかないと。
このままでは、ずるずるとLeafは後退していってしまう」
という会社側の思いが強かったんでしょう。
今までのLeaf作品とは、全く違う方向性となりまして、
発売前には、ずいぶん色々と騒がれていました。
実際、この作品以降Leafは作風をずいぶんと変えていきます。
(「Leaf初期を支えた人たちの相次ぐ退社」という理由も大きいのでしょうが)




シナリオは、「シナリオありき」というこれまでのスタイルではなく
「キャラありき」というようにスタイルを変えています。
ただ、それが悪いというわけではなく
むしろ高品質の「キャラゲー」になっていると思います。
それに、もともとがシナリオが上手な人たちですから、
「キャラの魅力だけで、内容がぜんぜん……」というわけではないです。
よく、この作品は「F&C作品」という評価をされますが、
食べわんも、確かにそうだと思います。
ただ、両方のブランドの魅力が高水準で結合している作品だとも思います。


シナリオ自体はというと、
はっきりいって、「同人誌」「即売会」と言った単語をエロゲーの中に取り入れて、
それをメインに据えている作品は当時、他にありませんでしたし、
非常に画期的なことでした。
しかも、そういうものをメインにおいておきながら
凄いポップな作風に仕上げているのは見事ですね。
この作品をやってみて、「同人誌」というものに触れた方も多いんじゃないでしょうか。
「同人誌」をメインに、泣き、笑い、友情、恋愛、夢、
そういったものを育んでいく作品というのは、今まで無かったものです。
根本的には、純粋な学園恋愛物に使われているテーマと同じようなものを使っているので、
マニアックな世界におきながら、一部だけでなく
色々な層にも受け入れられたのではないかと思います。
(ネタバレ反転)
個人的には、郁美のシナリオがもうちょっと長ければなぁ
という感じはありますが。
キャラは、かなりいいと思ったですし、
あれだけ作中に「振り」があったので。
ちょっと、残念です。

(ネタバレ反転終了)


音楽は、ちょっと今までのLeaf作品とは毛色が違うように聞こえますが、
作品にあった、キャッチーでポップな音楽は
やっぱり、Leafの音楽なんだと思います。
レベル的なことをいったら、
やっぱりレベルは高いですよ。
ボーカル曲は2曲。
悪くない出来だと思います。




絵は、みつみ美里さんと甘露樹さん。
(DC版で中村毅さんが加わります)
レベル高いですねー
絵だけで買っても損は無いレベルです。
今の作品に入れても、わりと上のレベルになると思います。




システム系統は、
主人公の漫画家としてのレベルを上げたり、
主人公の同人誌の売り上げでレベルが変わったり、
作る同人誌の系統を自分で決めれたり、売れる波があったり、
色々とこだわっています。
本編以外にも遊べる要素が多いのは非常に面白いですね。
セーブ数は10個とちょっと少ないので、そこはちょっとアレですが。
それ以上に、他の要素のレベルが高いので面白いです。
それと、この作品でLeaf作品で初めて声がつきました。
この後の作品にも声がついている作品というのはまだありませんし、
(復刻版を除く)
Leaf作品の中でも、異例の作品といえるのではないかと思います。




キャラクターは、色々とそろっている感じで、
基本的なのは揃っているでしょう。
ただ、よくあるというだけではなく、
それを「見慣れていて、つまらない」というだけにしないのが
凄いところでもありますね。
個人的には、シナリオや絵もあって彩が好きです。
というか、嫌いなキャラがいない感じです。
(縦、横も含めて)


あ、大志は「エロゲー主人公の友達系の男キャラ」の中では
トップクラスだと思います。
もう、なんていうか名キャラクターですよ。




この作品は、「過去のLeaf作品と比べて」
というのが、非常に大きい作品でもあります。
また、評価としては「F&C+Leaf作品」という言い方をされることが多く、
昔のLeaf作品を好きな人からは、あまり評価されていないようですが
作品としてみると、レベルはかなり高いと思いますし、
そういった方も一度やってみる価値はあると思いますよ。
(どうしても嫌なら、Leafの作品として見なければいいですし)
まぁでも、この作品のLeafにおける重要性というのは
非常に重いものです。
この作品と『まじかる☆アンティーク』が、
Leafの方向性の転換になった作品だ、と食べわんは見ています。

逆に、『こみパ』以前の作品が合わなかった人に、
お勧めできる作品なのかもしれません。
シナリオ、絵、システム、キャラクター、音楽。
どれをとっても、一級品の作品であることは間違いないです。





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