KYOBI TASK 日本美術史#15レジメ
KYOBI TASK 日本美術史#15レジメ 「光琳は生きている」で検索をかけると、このタイトルで放送されたNHK「日曜美術館」の内容がアップされます。前もってこれを読んでおくことをお勧めします。 ジャパニーズ・コンテンポラリーアート 秋田県立近代美術館 ネオテニー・ジャパン ZIPANGU日本の美意識ジャパン回帰本歌取り・見立て・やつし01 鴻池朋子「シラ―谷の者 野の者」 大徳寺聚光院方丈室内 障壁画 障屏画02 山本太郎「白梅点字ブロック図屏風」 酒井抱一「紅白梅図屏風」 伝尾形光琳「紅白梅図屏風」 屏風 金地・銀地 琳派 能・謡曲03 山口晃「四季休息図」 狩野永徳「洛中洛外図屏風」 鳥瞰移動視点 発見の愉悦04 会田誠「群娘図」「大山椒魚」 鈴木其一「四季草花図屏風」 料紙装飾05 池田学「方舟」 范寛「渓山行旅図」 グランドスタイル06 棚田康司「父になった少女、母になった少年」 神護寺薬師如来立像 木彫 材質07 チームラボ「生命は生命の力で生きている」 酒井抱一「夏秋草図屏風」 四季草花図 流水文08 天明屋尚「英姿颯爽」「ネオ千手観音」 国芳・広重・豊国「芳流閣・ふぐ・仙人」 刺青 東京国立博物館所蔵「千手観音像」 仏画09 町田久美「玩弄物」 「隆房卿艶詞絵巻」 白描画10 三瀬夏之介「虚空五度」 曽我蕭白「雲龍図襖」 水墨効果11 山本竜基「地獄図(山本版)」 極楽寺所蔵「六道絵」 長徳寺所蔵「六道絵」 狩野元信印「富士参詣曼荼羅図」 素朴絵 発見の愉悦日本橋高島屋「琳派400年記念 京都・細見美術館 琳派のきらめき トークショー」平成中村座「陽春大歌舞伎」 (2015年5月2日) 京都から始まったこの特別展も、いよいよ花のお江戸へやってきました。今日は館長・細見良行さんとのトークショーですが、出迎えてくれた方々への挨拶は後回しにして、まずは表の大ショーウィンドーを飾るディスプレーです。細見琳派作品から霊感を得て、わが京都伝統工芸大学校の学生たちが作った6点の作品が、銀座通りを行く人々の熱い視線を集めています。そのうしろには、オリジンとなった作品の大パネルが飾られて、現代青年の古典に対する挑戦といった感じです。僕も割って入ることにして、たとえば其一「藤図」VS金工コース共同制作「根っこ」に対しては、「華麗な装飾性に目を奪われる琳派草花図ですが、そこに強い生命力への希求があった事実を見逃してはならないでしょう。この美意識を、琳派の鬼才・鈴木其一もよく受け継ぎつつ、そのすべてを<花>に凝縮させました。しかし現代の若者は、文字通りその根源をなす<根>の生命力と美しさを発見して、其一に対峙しようとしています」とエールを送りました。トークショーが盛り上がったことは言うまでもありませんが、舞妓さんの踊りが終わると、聞かないで帰っちゃう人も!? 二回目のトークを終え、館長の妹さんの招待に甘えて浅草寺境内に設えられた平成中村座へ。一度ぜひ見たいとものと憧れつつ、今までチャンスがなかったのです。平成中村座は、いまは亡き十八世中村勘三郎の「テントで歌舞伎をやりたい」という熱い思いから、江戸時代の賑わいそのままの芝居小屋として、浅草で誕生したのです。木戸口をくぐって、渡されたビニール袋に靴を入れれば、完全に江戸時代の気分です。久松一声作の新作舞踊「高坏」が実におもしろく、もうほとんど狂言です。クライマックスで背面がスルスルと開けばそこは戸外、一瞬にして桜吹雪の夜桜に変じるという趣向は、あのニューヨーク公演をちょっと思い出させたことでした。ABS秋田放送開局60周年記念「ZIPANGU 沸騰する日本の現代アート」(2013年10月) 宣伝コピー「ジパング秋田展に河野元昭が緊急参戦、美術史家が現代アートを斬る」は、タッグを組んだABSが考えてくれたものですが、コンテンポラリーアートも大好きな僕が、予定していた「英一蝶」をこれに替えてもらったことは事実です。日本現代アートがどんなに奇抜に見えようとも、そこにはわが国の美意識が脈々と流れています。特にバブル崩壊後の閉塞感には、本歌取りや見立てを尊ぶ日本文化の再認識が強く作用したのでしょう。それが90年代以降のジャパン回帰を生み出したのです。好みの作家11人を取り上げましたが、目玉はやはり秋田出身の鴻池朋子です。去年、日経日本画大賞を受賞する契機となった「シラ―谷の者 野の者」が、会場でも圧倒的迫力を発揮しています。ここにはデミアン・ハースト、トランスボディ、リアリスティック・ファンタジーなど、同時代絵画との息詰まる真剣勝負があります。しかしその襖絵という画面形式を、わが国障壁画の伝統抜きに考えることはできません。所蔵が寺社ではなく、株式会社・ダブルラックであるとしても……。 秋田県立近代美術館HPブログ「おしゃべり名誉館長」より