出光美術館「美の祝典」1
出光美術館「美の祝典」<7月18日まで>(5月23日) 1966年10月に誕生した出光美術館は、今年でちょうど50歳、人間でいえば知命を迎えたおめでたい年です。それを寿ぎ、出光美術館所蔵の国宝・重要文化財を中心とする名品によって構成される特別展「美の祝典」が企画されました。 日本絵画のクラシックな美しさに焦点を合わせた第1部「やまと絵の四季」はすでに終了し、現在は第2部「水墨の壮美」が開催中です。6月17日からは、第3部「江戸絵画の華やぎ」が始まりますが、全期間を通して天下の国宝「伴大納言絵巻」が展示されることも話題を集めています。 「僕の一点」は、渡辺崋山の傑作「鸕*捉魚図<ろじそくぎょず>」です。「*」は「茲」に「鳥」を添えたむずかしい漢字で、ワードでは出てこないので、これからは{茲鳥}と書くことにしましょう。「鸕{茲鳥}捉魚図」は当時の日本が置かれていた状況を崋山が象徴的に描いた隠喩・メタファーの絵画である――これが僕の見立てです。