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2016.02.06
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カテゴリ:美術
静嘉堂文庫美術館「リニューアルオープン展第2弾 茶の湯の美、煎茶の美」
<3月21日まで>(2月6日)
  「僕の一点」はやはり国宝「曜変天目茶碗」です。黒釉の表面に多くの円い斑文が浮かび、その周囲がきらめいて星紋となり、華麗な虹彩を放つ曜変天目の完品は、この静嘉堂文庫美術館所蔵を含めて3碗のみ、古くから稀観の神品としてたたえられ、日本だけに伝えられてきました。とくに僕が魅了されるのは、虹のごとき光彩です。今日、東洋陶磁美術館・小林仁さんの「唐物天目についての新知見」と題する講演を拝聴しましたが、そのスライドのなかに、まさしく虹のような数枚があって、これまで考えてきたことが確信に変わったことでした。
  2009年、杭州の工事現場から、割れた状態で曜変天目が発見されましたが、原産地の中国でもこの一点だけなのです。なぜなのでしょうか。次のように僕は考えています。古く「窰変」「容変」と書かれるのは、現在の「窯変」のこと、また「曜」は日の光であり、また日月星辰の総称ですから、斑紋の美しさを称賛して、「窯」を同音の「曜」に変えたのでしょう。
 つまり「曜変天目」は「窯変天目」、それは人知の及ばざるところであり、しかもこんな窯変は天文学的確率でしか起こらなかったのだと思います。しかし、中国の皇帝がこれを「無上の美」と感じたとしたら、日本に輸出などするでしょうか。当然みずからの宝庫に収めたことでしょう。ここには美意識の違いがあったに違いありません。陶磁器にも完璧な美を求める中国において、こんな窯変が起こったら、それは疵物だったのです。先の杭州曜変が出土したところの近くに、皇帝の迎賓館があったことをもって、中国でも貴顕の間で珍重されていたという見解もあるそうですが、ちょっとどうでしょうか?
 それだけではありません。中国には虹をよくないものと見なす思想があったのです。聞一多の『中国神話』(東洋文庫497)をひもとくと、「虹と美人」という項があります。それによると、漢代以来、虹は陰陽二気の交接の象徴、邪淫のシンボルと考えられていたそうです。しかも漢代の『京房易伝』という本には、「妻 夫をしのげば則ち之れを見る。陰 陽に勝るの表れなり」とあります。
 さらに虹は陰奔なる美人にたとえられ、漢儒たちは蜺虹異災論をとなえるときにその根拠としたのでした。聞一多はこのような思想が、『詩経』にまでさかのぼることを指摘しています。またある百科事典によれば、古代中国では虹を不吉な現象とし、決して指差してはならぬとしていたそうです。
 しかしわが国において、虹を不吉視することはなく、むしろその美しさを素直にたたえてきました。山本健吉の『基本季語五〇〇選』によると、虹を詠んだ古歌は非常に少ないそうですが、そこに引かれた三首は、みな虹をすばらしい気象としているように思われます。だからこそ、虹彩鮮やかな曜変天目茶碗は中国で嫌悪されて国外追放に遭い、わが国では逆に高い評価を集めることになったというのが私見なのですが!?






最終更新日  2016.03.21 19:21:32



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