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彬子女王『赤と青のガウン オックスフォード留学記』(PHP研究所 2015) 昭和56年(1981)、三笠宮寬仁親王殿下の第一女子としてお生まれになった彬子女王は、学習院大学を卒業後、英国オックスフォード大学マートン・カレッジに留学され、博士号を取得されました。 専攻は日本美術史で、論文はウィリアム・アンダーソンとアーネスト・フェノロサの日本美術コレクションを比較研究されたものです。 アンダーソンは明治6年(1873)日本海軍から招聘されて来日、海軍軍医教育にあたったイギリスの医師です。しかし、日本美術の魅力に取りつかれて、見事なコレクションを創り上げたコレクター研究者として、より強く記憶されています。 コレクションはやがて大英博物館へ譲渡され、その日本美術部門の中核となっています。アンダーソンが著わした『Pictorial Arts of Japan』は、欧米人による最初のもっともまとまった日本美術史の大著として知られています。 アーネスト・フェノロサについては、皆さんすでによくご存知のことと思います。アメリカに生まれ、お雇い外国人教師として東京帝国大学で人文科学を講じ、その後教え子の岡倉天心とともに、日本画の近代化にきわめて大きな影響力を発揮した美術史研究者ですね。またアート・ディレクターであったと言ってもよいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.09.02 08:10:40
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