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③白川静『漢字』<岩波新書> 岩波書店 1970 古代オリエントの文化はきわめて古く、オリエントに生まれた古代文字は、ほぼ前31世紀にまで遡ることができるという。漢字は、確実には前14世紀に遡りうるにすぎない。……それで漢字もまた、たとえば楔形文字の流入したものではないかと考えられたりしたことがある。 リートホーフェンやクラーベリーなどは、早くからその可能性を主張しており、アッシリア学の研究者ボールは、すすんでその実証を試みようとした。 のちアンダーソンが、山西・陝西の彩陶文化の遺跡を発見し、その土器文化が西部アジアのアナウ、スサの彩色土器に起源すると論じたことなどもあって、一時その文化東漸説が有力となったこともある。 これらは、殷墟の遺跡が発見される以前のことであるから、一種の仮説として扱ってよいわけであるが、殷墟の科学的な発掘調査が行われたのちにおいても、依然としてそのような主張者がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.11.02 12:01:10
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