カテゴリ:ネコ
明けましておめでとうございます! 本年もよろしくお願い申し上げます!! 今年はトリ年ですので、まずシリトリをやりましょう。するとトリ→リス→スネ→ネコとなりますので、すでに何度も紹介している中国・南宋のネコ詩人、陸游に再登場してもらうことにしたいと思います。 「単にネコの詩を取り上げたいので、無理やり考えた理由じゃないのか!? そもそもトリ年なんだから、トリの詩を紹介すべきじゃないのか」という声も聞こえてきそうですが、まぁお正月ですから、そんなに固いことを言わずに……。 今回は巻38に載る「嘲畜猫」という五言律詩です。「かいネコをあざける」と読めばよいでしょう。二句を和歌調にして、四首ワンセットのように訳してみましたが……。
ネズミが盆 ひっくり返して騒いでも 我がネコグーグー寝ているだけだ 腹いっぱい 魚喰ってる夢をみて シッチャカ・ネズミの好きやらせてる 名を呼ぶも 木によじ登りセミ捕らえ 喜色満面 下りて来もせず どこにある 山か知らねど名猫で 名高いク山の出身なのに……
この詩には、「俗にネコはトラの義理の父だといい、トラ100匹でネコ1匹になるともいう。しかしトラは、木に登ることができない。また海州のネコは天下第一だといわれている」という注記がついています。 さて尾聯にある「ク山」の「ク」は、にくづきの「月」に「句」を書いて、鳥獣の肉を乾燥させた食材のうち曲がったものを指す漢字だそうですが、めったに使われないのでしょう、僕のワードでは出てきません。 『諸橋大漢和辞典』で調べると、ク山という山は三つありますが、陸游がいうところのク山は、江蘇省東海県の南にある、俗称「馬耳山」という山だと思われます。 注記の「海州」を調べると、「州名。東魏、置く。江蘇省東海県の南」とあって、馬耳山のク山なら場所が一致することになるからです。どうもこの詩によると、ク山のネコはよくネズミを捕るというので有名だったように思われます。 そういえば、いまは亡き愛猫タビちゃんも、陸游のネコに似ていました。いや、それ以上でした。僕が仕事から帰ってきて「タビちゃーん」と呼んでも、迎えに出て来たり絶対しませんでした。 何かで遊んでいるわけでもなく、ただ出てこないのです。天上天下唯我独尊、ネコ中のネコでした。さらに陸游のネコと同じように、いつもグーグー寝ているだけでしたが、我が家にネズミがいなかったのだから仕方ありません。もっとも、タビちゃんがいるお陰で、ネズミが住み着かなかったのかもしれませんが……。
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最終更新日
2017.01.01 08:46:08
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