カテゴリ:美術
さて「僕の一点」は、出光美術館が所蔵する「源氏物語桐壺・貨狄造船図屏風」です。かつてこの屏風は「蟻通し」の故事を描いたものといわれました。「蟻通し」というのは、紀貫之にまつわるお話です。 貫之が馬に乗ったまま蟻通明神の前を通り過ぎると、その馬が突然悶絶死しそうになります。その原因が下馬しなかったという非礼にあると聞かされた貫之は、早速明神に和歌を捧げて許しを乞うたという故事です。 ところが『國華』878号にこの屏風を紹介した山口桂三郎先生は、中国風俗を描いた隻が貨狄造船図であるという、最初の指摘を行ないました。つまり「蟻通し・貨狄造船図屏風」となったのです。
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最終更新日
2017.01.20 06:00:13
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