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2017.01.30
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カテゴリ:美術

東京ミッドタウン・ホール「21世紀鷹峰フォーラム・東京」円卓会議(129日)

 文化庁の助成を受けて、「100年後の工芸のために普及啓発実行委員会」が主催するこのフォーラムは、去年、京都で開催されました。そのレポートは、すでに「K11111のブログ」にアップしたところですので、趣旨などをお知りになりたい方は、どうぞそれをご参照ください。

今年は東京で開かれることになり、アドバイザーを引き受けている僕にも招待状が来たので、ちょっと出掛けてみることにしました。去年も書いたように、結局は身銭を切っていい工芸品を求め、日常生活のなかで使い続けることしか、工芸を盛んにする途はないというのが、僕の基本的スタンスです。もちろん、こういうフォーラムの意義は充分認めますが……。

発言を求められた僕は、ファシリテーターの京都大学・塩瀬隆之さんが使った白と赤のボードを使って、「和式トイレが好きな人」は白、「洋式トイレが好きな人」は赤を挙げてもらいました。ざっと400人ほどの参加者があったと思いますが、全員赤、白を挙げた方は一人もいませんでした。

つまり、機能的には洋式トイレの方がすぐれており、和式トイレは劣っているのです。和式トイレは日本の伝統文化だから、これを使え、これを愛好せよといっても、誰も従わないでしょう。洋式トイレの方が気持ちよいからです。

工芸も同じです!? 伝統的な工芸を使え、これを愛好せよといっても、機能的に劣っていれば誰も従いません。トイレに象徴される<住>と、今日も問題になった和服という<衣>は、機能的に劣っていることが明らかです。この機能性には、コストパフォーマンスも含まれています。

残るのは<食>です。ウィークデー、僕のランチは学生食堂のうどんと決まっていますが、プラスチックのドンブリにプラスチックの箸で供されます。しかし、京都美術工芸大学の教職員が、こんなもんで食っちゃダメだと思って、1000円のマイ陶器ドンブリと1300円のマイ竹箸で食します。

工芸家や匠の卵である学生が作り、学園祭で販売していたものを求めたのですが、実においしく食べられます。これで食べると、280円のうどんが500円の味になるのです!? つまり、僕にとって陶器のドンブリと竹の箸は機能的なのです。

しかし、もしプラスチックの食器で食っても味はまったく同じだという学生がいたら、どうしたらいいのでしょうか。プラスチックなんかで食うなといっても無駄でしょう。彼にとって、彼女にとって、機能的に同じなのですから……。

僕は、これまた日本の伝統である<痩せ我慢>を彼らに教え、たとえ機能的に劣っていると感じても、我慢して使えというしか、ほかに途はないと思います。やがて彼らが、やはり陶器で食べるとおいしいと気がついてくれるまで、つまり、その方が機能的なのだと気づいてくれるまで待つしか、仕方がないと思います。

いずれにせよ、伝統的工芸の生き残る途は、いや、これを盛んにする途は、まず<食>に求めるのがベストだと思います。この<食>のなかに「酒」が入ることは、改めて言うもでもありません!?

このフォーラムは夕方の5時に終了しましたが、そこでお開きとなり、レセプション――このごろ言うところの情報交換会がないのです。予算がないのでしょうから、致し方ありません。しかし、会費制のもとどっかのレストランでやったのでは、「21世紀鷹峯フォーラム」にふさわしくありません。

そこで提案です。このフォーラムの3回目は、来年、金沢で開かれます。その円卓会議のとき、参加者は各自いつも飲んでいるお酒もしくはソフトドリンクと、酒器やグラスを持参して、持ち込みレセプションをやろうではありませんか。いつも使っているのがいい工芸品であればそれを、そうでなければこの際いい工芸品を求めて、みんな持ってくるのです。

ともかくも、それぞれがいいマイ工芸、いいマイ食器を愛し用いなければ、100年後に残る工芸なんて、絵に描いた餅にすぎません!?






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最終更新日  2017.01.30 06:00:02



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