ルネ・ヴェルドン/鹿島公子『ホワイトハウスシェフの料理本』4
そのころ僕は、アメリカ・ヒューストンのロッキー・ロビソンという青年と文通をしていました。彼にケネディへのオマージュと弔辞を伝えたところ、しばらくして彼は “The torch is passed……“という1冊のグラフ本を送ってくれました。 1961年の大統領就任演説の一節を書名にしてヒューストン・ポストから出版された大きなハードカバーで、内扉には “THE ASSOCIATED PRESS STORY OF THE DEATH OF A PRESIDENT” と大書してあります。いま “To Motoaki Kono In Remembrance—February, 14,1964 From Rocky Robison” という献辞を眺め、ページを繰りながらこのブログを書いているのです。 いつしかロッキー君とは文通も途絶えてしまいましたが、今もヒューストンで元気に暮らしていることと信じています。 『ホワイトハウスシェフの料理本』の表紙は、かすかな夕焼けをバックにした一家の写真です。大統領とジャクリーン夫人に支えられてベランダの柵に腰掛けるキャロラインちゃんが、今の駐日アメリカ大使であることは、改めて言うまでもないでしょう。