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2024.10.30
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カテゴリ:熊本県
小国町の福運三社巡りの中の2つで、大きなケヤキの根元から湧き出る湧水と、醍醐天皇の孫である小松女院にまつわる伝えが残る小さな泉。

けやき水源は​小国両神社​の近くにある、樹齢1000年以上と言われるケヤキの木の根元にある水源地。水は古くから枯れることなく湧き続け、何百年にもわたり人々の生活を支えてきたという。水源には水神様が祀られており、かつてここにお参りをした商家が富くじで一番くじを当てたという逸話から、福運を招くスポットとして注目されている。

鏡ヶ池は小国両神社の西隣にある湧水池。平安時代の中期に醍醐天皇の孫娘にあたる小松女院が、身分違いの恋で都から豊後国(現大分県)に左遷された恋人の清原正高の行方を追う途中に立ち寄ったと言われている。小松女院は祠の下に清らかな泉が湧いているのを見つけ、正高との再会を祈り己の姿を映し出す鏡を身代わりとして神仏に捧げ、同行していた11人の侍女らと共に1人1枚ずつ、累計12枚の鏡を池に投じたという。その後村人たちはこの池を「鏡ヶ池」と呼ぶようになったそう。


けやき水源の全景。






けやき水源のケヤキの木。幹囲は7.5m、樹高は18.5m、推定樹齢は1000年。杖立川沿いの木の中でも特に存在感を放っており、根は水面スレスレまで出ている。




水源池。


池底からは砂を巻き上げながら絶え間なく水が湧いているのが見える。


訪れた時は魚群も見えた。時折鯉が泳いでいることもあるそう。


昔ながらのレトロな手押しポンプ。試しに押してみたが水は出なかった。昔はここで野菜を洗ったり、スイカを冷やしたり、町民たちの憩いの場になっていたそう。


水神様。富くじにまつわる逸話が伝えられているスポットの一つで、小国郷の商家だった橋本順左衛門が毎朝けやき水源の水神様に自然の恵みを感謝し、小国両神社に祈願し、後述の恵比寿様にその日の商いを報告するという三社参りを毎日欠かさず行っていたところ、けやき水源に小舟が入る夢を見てこれを吉兆だと感じ、富くじを引いたところ見事に一番くじを引き当てたその話を聞いた郷内の城尾村一郎右衛門も参拝を1年続けた結果、4回も一番くじを引き当てたことから、けやき水源は福運を招く場所だと信じられるようになった。その後も福運の話が絶えずに今日まで続いているという。


けやき水源から歩いて3分の場所に、鏡ヶ池がある。




鏡ヶ池。清らかな小さな泉で水神様が祀られており、ここに醍醐天皇の孫娘である小松女院とその侍女たちが、小松女院と離れ離れになった清原正高との再会を祈り、鏡を投げ入れたと伝えられている。砂の中に鏡(現在水に沈んでいるのはレプリカだそう)が見え隠れしているが、全て見えると災害が起こると伝えられている。今では恋する女性が池に小銭を投げ入れ、恋人との再会を祈ってるんだとか。


藤棚があり、ベンチやテーブルも置いてある。


鏡ヶ池の碑。


恵比寿様。富くじにまつわるスポットの一つ。富くじで一番くじを当てた橋本順左衛門が、毎朝けやき水源の水神様、小国両神社に参拝した後、夕刻にこの恵比須様に商いの報告をしていたという。なお、一番くじを当てた橋本順左衛門と城尾村一郎右衛門は、恩返しとして手に入れた財で町の道を石畳にしたり、寺社に寄進したり、橋を掛け直したり、水害防止の堤防を築くなど、財を独り占めすることなく社会に貢献したという。石畳になった道は「富くじの道」と呼ばれ、今も一部が現存している。



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最終更新日  2024.11.01 23:13:39
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