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2025.01.18
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カテゴリ:福岡県
平安時代より神仏習合の地で、古くは修験道の修行の場として栄えた霊山である英彦山の麓に鎮座する神社と、少し離れた場所に位置する湯の谷別院に祀られている不動明王像。

御祭神は天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)。古くは英彦山大権現の仏であった阿弥陀如来と同一に扱われていたが、神仏分離令が発布された後に分離され神のみが祀られている。

神仏習合の場であった英彦山は山上に彦山大権現、山腹には天台寺霊仙寺を祀った勅願所であり、霊仙寺は比叡山延暦寺に準じる格式を持ち、中世には大和国(現奈良県)の大峯山、出羽国(現山形県)の羽黒山と共に日本三大修験道場の一つに数えられた。16世紀に重要建築物の焼失や領地の没収などの法難を受けるが、彦山大権現の信仰は九州全域に広まり、中でも小倉藩主の細川忠興は1616年(元和2年)に山伏の講堂として奉幣殿を再建した。佐賀藩の鍋島氏の信仰も篤く、1637年(寛永14年)に銅の鳥居を寄進、1729年(享保14年)には霊元法皇から霊験あらたかな山として「英彦山」の名を賜った。1868年(明治元年)に神仏分離令が出た後は英彦山大権現の仏が廃止され、山伏の多くは下山。社は英彦山神宮として神のみを祀り、英彦山大権現は尊称が忘れ去られようとしていたが、1979年(昭和54年)に発祥の地に再建され現在に至る。

秋は紅葉の名所としても知られ、境内の枯山水式庭園やもみじ谷、離れの湯の谷別院の紅葉が見どころとなっている。


鳥居。周辺の紅葉が綺麗で、英彦山大権現社の碑に刻まれた真っ赤な文字が調和しているように感じた。


風花流水の碑。"風花は散りて 流水に従う 流水は山野を潤し 大海に帰る"と記されている。


滝之坊碑。権現信仰発祥の地である玉屋渓谷にあった坊跡を滝之坊といい、その地に現在の英彦山大権現が祀られている。


鬼子母神。仏教を守護する女神で、出産・育児の神として知られている。


白寿観音。長寿とボケ封じ祈願の観音様。観音様の胸に2回浄水をかけて参拝する。


鐘楼。一番成就の鐘とも言われ、願い事を一つ込めて1回だけ鐘をつく。


慈母観音。慈愛の心を表した観音様で、子安観音とも呼ばれる。


手水鉢。


十六沸。


修行大師。


庚申。干支の一つで、60の数詞の中の57番目。




御社。社殿は巨岩の前に建てられており、裏の方には岩窟が続いているようにも見える。秋に訪れた時は周辺の紅葉が綺麗で、春になると右手にあるしだれ桜が枝いっぱいに桃色の花をつける。




塞ノ神。子授け、安産の神様が祀られており、祠には男根が供えられている。御社と同様、巨岩の前に鎮座している。


もみじ谷の紅葉景色。


江戸時代の山伏(修験者)の墓。


子育地蔵。新生児を災難から守り、子育や安産の御利益がある地蔵菩薩。


英彦山無縁之霊。


記念碑。長きにわたって絶えていた英彦山大権現を再建し、英彦山自然公園に生涯をささげた大場聖氏を偲んで建立されたもの。






枯山水式庭園。境内に作庭された広大な日本庭園で綺麗に整備されており、山には刈込が施され、平地には石組が設けられている。四季折々で様々な姿を見せ、秋は山のモミジの木が綺麗に色付いていた。


もみじ庵。湯の谷別院にある修験道場。


紅葉の葉がかかった苔の生した水鉢。


湯の谷別院入り口の冠木門。






湯の谷別院境内の紅葉。川沿いのモミジが燃ゆるように色付いていた。


「英彦山不動明王」
英彦山大権現から少し下った場所に位置する湯の谷別院に祀られている不動明王像。不動明王を中心として左側に制多迦童子、右側に矜羯羅童子がそれぞれ祀られている。不動明王像の高さは2m以上あり、安置された3つの像はいずれも綺麗な状態を保っている。この周辺も不動明王たちが纏う炎の如くモミジが赤く色付くが、訪れた時はまだ色付き始めだった。



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最終更新日  2025.01.18 21:29:59
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