かにの砂堀
旅館の裏は砂浜になっています。毎年、時期になるとたくさんのコメツキガニが現れ、波打ち際付近に1匹に1つの割で自分の巣穴を掘ります。巣穴を掘るときには巣穴にもぐっては自分の出す泡で小さな砂団子を作り、それを地上にもってあがっては捨てる、という作業を繰り返して深くしていきます。私が子供の頃、このカニを捕って遊んでいました。捕る方法は、乾いた白い砂をかにの巣穴に注ぎ込み、手で広めに掘っていきます。そうすると水分を含んだ黒っぽい砂の中に、乾いた白い砂が目印となって穴を見失わなくて済みます。スコップを使うとカニを傷つける怖れがあるので必ず手で掘ってました。このカニは結構警戒心が強く、人間が近づくとすぐ穴の中に隠れてしまいます。ですから写真を撮るときにはそっと近づいて三脚を据え、またカニが這い出てくるまでじっくり待ちます。こちらが動かない限り、カニはあまり警戒しないようなので、カニが出てきたらじっと息を殺してレリーズとレンズのピントリングだけ操作しながらシャッターを切っていきます。CONTAX RX , Tele-Tessar 4/300 , MutarIIFUJICHROME Vervia