|
カテゴリ: 親
母から電話が。
「もう、腹が立って腹が立ってゆうべはあまり眠れなかったから聞いてくれる?」 その話の内容の前に、父の生い立ちを。 4人兄弟の長男として、海辺の町にて昭和ひとけた生まれ。 父の父は末の弟の生後まもなく対面することなくして、終戦前に戦死。 当時10才くらいだった父は学校をサボって漁に出て家族が不自由しないくらいに養ってくれたと 祖母は言っていた。その後大阪に出て会社勤めし、その末の弟が大学に行けるよう援助した。 母と結婚してからも、兄弟にも金銭的に援助したりと父親代わりのように面倒を見てきた。 わたしが子供の頃のお正月には、兄弟一家や祖母がうちの家に集まって、てっちり鍋やらで 接待するのが常だった。 みんな遠慮のひとつもせずにワイワイとごちそうに箸を伸ばし、食事の支度に動き回っている 母がようやく食卓につくころには何も残らずカラッポ。。 祖母は商売をしている父の弟と同居して子守りをしていたが、たまに病気になると我が家で 世話をしてと当たり前のように連れて来られ看病し、元気になるとまた帰っていく。 兄弟や親にはとにかく気前と愛想のよい父。が、母に対してはとにかく口やかましく偉そうに 振舞う。母のほうが10歳も年下だからか、同郷の癖に「何年たっても田舎モノで何も知らん」 60過ぎてもまだそんな風に言われる母を見るとかわいそう。。 親兄弟よりも長く一緒に暮らし甲斐甲斐しく世話をしてくれる母より、今では年に1度くらい しか顔を合わさない、別世帯の兄弟にやたらいい顔をする父には子供ながらに歯がゆい想いを 感じる。父にとっては兄弟はいつまでも可愛いコドモ、みたいなものなのか? 学歴もなく単身で都会に来て、家も持ち、70歳過ぎて未だに会社に必要とされて現役。 生真面目に働いてくれ、子供も孫も大事にしてくれる。 娘としては尊敬したり感謝するところも多々あるが、母にとっての父は、苦労した過去に対して 未だに根に持つところもあり、頑固で言うことを聞いてくれないところに不満を抱きつづける ところだらけのまま今に至っているんだろう。 父の兄弟は自分たちの世帯を持ち、子供も成人して年齢を重ねて尚、何ごとかあるたびに 父を頼ってくる。 そして、父は兄弟のこととなると見境なく、バカ親並の甘さで世話を焼く。 父が去年入院したからといって、兄弟たちは1回お見舞いに来るか来ないかくらいのことだったが その兄弟が入院した時はお見舞いをもって足繁く通い、世話を焼く。 母は付き合いにとにかくお金がかかると嘆きつつ、父の思うようにしてあげている。 子供たちがお年玉をもらわないくらいに成長してからは、自分たちがトラブルなく平和に暮らして さえいれば、お盆以外連絡もない人たちになった。 それって表面的には友人、同僚、近所の人よりも遠い存在ってことよね。 なのに、友達や知り合いなら遠慮して言わないことでも、都合のいいときだけ、身内を振りかざして 押し付けがましく言い募る。これって一体なんなんだろう。 身内の定義はなんなんだ。血のつながりの価値ってそれほどあるのか。 一緒に暮らしているもの以上に尊重される血縁とは。。 父の性格や考え方にも問題があるのはわかるけれど、未だにそんな考え方が社会の根底には 残っているような気がする。 勿論、親兄弟を大切にすることはいいことだと思うけれど、必要以上の関わり方ってなんだか とっても気持ち悪い。 長男にだけ、重い責任を負わせるってのも変な話だ。継承するものがあるなら、わかるけれど そういったものが何もない、うちの実家にすら長男家の役目って言うものが存在している。 同居して親と子供世帯と持ちつ持たれつの関係がなくても、存在する重責。 旦那の義母が亡くなってからも感じたことだけど、親戚とは言っても、みんな自分たちには面倒な ことが身に振りかからないように上手に避ける。娘としての義姉ですらそうだった。 面倒は全部長男、その嫁が背負うもの。後は儀礼的なことだけしか出来ないわってスタンス。 苦労の多い長男の嫁の母を見て育ってきたわたしが、性懲りもなく長男の嫁になったのも 愚かだが、旦那はしっかりものの姉がいる弟で育ってきたからか、苦労していないからか 全然長男風を吹かすようなタイプではない。長男の自覚もない^_^; なんだかんだ揉めた時はもう別れたい。。とつくづく思ったけれど、最終的には血縁より わたしを優先すると言うような人だからなんとか続いている。 わたしの優先順位は今は扶養すべきせがれと自分と同居している旦那。 それぞれの親は大事にするけど離れて暮らしている以上、できる限りのことしか今はして あげられない。 せがれが独立すれば別世帯になるわけで、わたしの結婚が続いていれば優先順位の一番は 自分と旦那になるだろう。 何よりも一緒に暮らしているもの、生計を共にしているものを優先に考えるべきじゃない? 子供にはいつまでも特別な思い入れと愛情をもち続けるだろうけれど、表面的にはきっぱり 子離れをしてやるのが、何よりしてやるべきことだと思う。 血の繋がったわたしの兄も、旦那の姉も、今のわたしにとっては、血縁というより遠くの知り合い 程度にしか思えないんだけど。。 もっとも、親が絡んでのややこしい厄介な相手というのが現実的な認識か。 つまりはどちらともいい兄弟関係が築けてないってことか。。トホホ。。 前置きが長くなったけれど、今回の母の電話の内容。 海外に単身赴任している父の末の弟が重い病気になり、どうしたらいいか相談にのって欲しいと その娘から電話がかかってきたことに始まった。 そして、父の弟の奥さんは赴任先へ渡っているのだが、その人からもまた父に電話があり、昨年 父の手術入院した病院に診てもらえないかというようなことを言って来たらしい。 父の弟の家は他県でかなり遠い。父の入院先の病院はうちの実家には近い。そんなところに なぜみてもらいたいのか?帰国してすぐ入院させたいとしても、大阪市内と関空ってそんなに 近くない。。高速に乗ってそのまま住んでいる県に行くならそれほどの違いはないはず。 が。父は慌てふためき、自分の主治医に夜にも関わらず連絡とると言い出した。 まだ詳しい病状も帰国のメドもわからない状況で専門かどうかわからない医師に連絡とったら おかしいわよと母が言うと、 「おまえは俺の兄弟に対してなんと薄情な奴だ」と怒り出し大喧嘩になった模様。 客観的にわたしが考えても。。 相談する先が父というのが間違っているのでは? まず、会社や病院にそういうことは相談するべきだと思うし、家族のことは家族内で相談して 決めるものではない? 現地に父の医療事情に精通した知り合いがいるとか、親戚や親しい友人に医療関係者がいるなら まだわかるが、単に外来から通いだした大きな病院の主治医に、自分の病状に関係しない電話を 直接したところで取り次いですらもらえないだろう。 と常識で考えればわかる。 海外赴任どころか、海外渡航の経験だって父にはない。 父の勤務先の工場が海外にあっても国が違うんだからどうしようもない。 そんな父に相談してくる方も?だが、相談に乗ろうとする父も冷静ではない。 普段は冷静に判断できるはずの父も、なぜ兄弟のことになるとこうも、おかしくなっちゃうん だろう。 何をどうしていいやらわからないけれど、何かしなくちゃ状態になって、右往左往したり、 母に八つ当たりするのは、どう考えてもおかしい。 わたしとしては相談してくる相手に、病気で気の毒って気持ちより、理不尽な言い草が小憎らしく さえ思えてくる。。 長年連れ添って母も父や親戚の欠点は重々承知しているはずだけど、父が食欲不振になったり 体調を崩したりを考えると、黙ってはおれないようで。それでけんかをすると余計に逆効果だと 思うんだけど、言わずに居られないのよね、どっちも。 ふたりして寝られず悶々として一夜を過ごしたかと思うと、わたしまで悶々してくる! とりあえず長男の嫁の理不尽さに共感しつつ、一緒になって怒ってやって、二晩くらいうちに 泊りに来て頭冷やしてやったら?とわたしが言うと、 「お母さんはそんな放っておくこともできないのよねー」といつもの結論。 そうそう。そうなるのもモチロンわかってるって。喋って聞いてもらえば、ちょっとは気が 軽くなるのが女ってもの。 わたしがネットでその親戚の住む県内の医療相談の窓口を調べ、母からいとこにその連絡先を 伝えてそちらへ相談するように言うことと、父もまだ病み上がりで体調が完全じゃないのに 心配しすぎる性質だから、すっかり不眠や食欲不振になってしまったと大げさなくらいに 伝えるようにとアドバイスした。 わたしならはっきり迷惑です!と言ってやりたいところだが。。 あっちは言いたい放題でも、こっちは言えない立場ってのがまったく理不尽~ で、父の弟の長男がその相談窓口にかけて、現地と相談して県内の病院の受け入れ先が決まり、 帰国の日にちも決められたらしい。 それくらい自分たちで調べて何とかできんのかい?ってわたしは思うし、そこまで心配してやる 必要もないと思うのだけど、これ以上両親がけんかしたり、体調を悪くしてはいけない。 帰国してからまた何やら言ってくるやら、父が放っておけずに行ったり来たりになるのかわから ないけれど、いきなりおかしなことをしでかしたり、万一、実家の近くの病院に入院したりして 必要以上に関わって、面倒なことになることは避けられたか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ 親 ] カテゴリの最新記事
|