先生に酷評されて、わたしもかなり凹んだが。
せがれもさすがに堪えたのか、お尻に火がついたのか。
あと3日という期限を前にあそこまで現実を突きつけられたら、
やるしかないと自覚したのか。
普段はわたしが何かこうしたら、みたいなことを言えば
反発することが多いのに、言われたことに気をつけて、素直に何度も稽古した。
ホワイトボードに“めざせ天満天神繁昌亭!”なんて書いて、
けいこの回数とつけた点数などつけていた。
そして、いよいよ本番の朝は、「やっと本番や!嬉しい~」と元気に起きてきた。
親のほうは緊張しとるねん、と思うのに。。
エレクトーンやらの発表会に幼児期から出てきたけれど、
常に「自分は本番には強い」そう思い込んでいる。
つまりは集中力とやる気の問題だと思うのだが、
多数のギャラリーの前では実力以上のモノが出るらしい。
なら、いつもやれ!と思うけれど、それはありえないらしい。
前夜の最後の練習では、ま、それなりに大丈夫かな。
ちゃんと伝わるかな、くらいに仕上がったように思う。
先生に一番きつくいわれた、語尾が消えることが
完全になくなったとは言えないけれど、
欠点を意識して、わかりやすく話すことに意識が少し向いてきたようで。
落語っちゅうのは難しいもんで、話のテンポがないと面白くない。
かといって、早口過ぎて要点が聞き取りにくくても面白くない。
でも、多少難点があっても子どもだからしょうがないやん。
勢いとおかしみを含んでいれば、結構面白いのではないか。
せがれは妙にへんてこな空気を持っているからそこを出せれば。
まぁ、あとはいつものなるように、なる。と開き直るしかないわな。
さて、会場に行くと、なにやらえらい賑わい。
落語よりも簡単な小話の子のほうが多いよ、と聞いていたのに、
受付ではほぼ落語ばかり。参加者も30人を超えていた。
しかし考えてみると30人×持ち時間10分で300分??
5、5時間かかる~?
いや、目一杯時間かかるとは限らないけれど。
えらい時間がかかりそうな気配。。
出番はハガキの整理番号で決まっているかと思いきや、受付でくじ引き。
で、せがれはいきなりの2番。
なんか審査では最初のほうは点を辛く付けそうだし損かな。。と思うが、
せこいこと考えてもしょうがない。ちゃんと出来たら御の字。
待ち時間が短いほうが、一気に終ってすーっとするかも?
ま、なるようになるしかない。
サークルの先生が出場記念に、扇子と手ぬぐいを下さった。感激。
別のを用意はしていたけれど、いただいたのを使う!と張り切るせがれ。
審査員は落語家の方が3人。
毎年審査をしておられる人も一日を通して、
今回のこの盛り上がりはすごい、
レベルもものすごく上がっていて、審査が本当に難しいです。
こりゃわれわれもウカウカしてられまへんな。
みたいに繰り返しおっしゃっていた。
せがれの前、1番の子は中学生くらいで、かなり手慣れているのか、
控室ではひとりで浴衣も着、「今日は何々師匠風の“鷺とり”やるねん」
と同じサークルの事と顔見知りらしく話すのか聞こえてきた。
そんな達者な人のあとにせがれか~^^;
で、いよいよ本番~
1番目の子はそりゃー上手だったように思うんだけど、案外笑いとかは少なく。
上手すぎたり、プロのまねっこすぎてもよくない、と聞いていたのは本当か。
何十回と練習してきた、ちょっと季節はずれなネタではあるが、“初天神”
たぶん今までで一番の出来?というくらい、熱演していた。
細かい所を突っ込めば何かとあるけれど、勢いがあったし、声は通っていたし
かなりテンション高く演じて、笑いも取れていた。
審査員の人の笑い声もそこここに聞こえてホッ。。
「まさに、とらちゃん、まんまでしたね(子どもの登場人物)」との評価。
公文の先生が落語好きの旦那さんを伴ってわざわざ応援に来てくださり
一番後ろのほうで立見してらしたのを、高座からちゃんと気づいていたというから
周りの反応を見る、余裕もあったようで。。
その後はかなり気楽に見られたけれど、
どの子もどうやったらそんな風にできるの?
というくらい上手な子が多くて。
審査で上位3位、館長賞1人、審査員賞3人分各1人。
あと3人を加えて、10人が入賞として、
ご褒美に大舞台の落語会に出られる。
半ばあきらめていたけれど、なんと、せがれは10人のうちには入って、
念願が叶ったことになる。
あの激戦の中で、え、ええのん?って感じもするけれど、
無欲の勝利ということで☆
まだ観覧にも行ったことのない上方落語の聖地の舞台に上がる。。
願いが叶えば叶ったで、どないしょーーー
と、またいらぬ心配をしなくちゃいけないのよね、親は。。