テーマ:強い女、強い人とは(273)
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銀行で順番を待つ間、ぼんやりと、ついているテレビを見ていた。
ある人の記者会見が映し出されている。 ぼーっとしながらいつの間にかその言葉、その表情に引き込まれていた。 不覚なことに、つと涙がこぼれそうになって、我に返る。 一年前もそうだった。 饒舌でもなく、難しい言葉も使わない、多弁でもない。 なのにその人の言葉はいつもわたしの心に響く。 「わたしは日本人です」そう言った。 その一言に、一体どれだけ複雑な思いがこめられているのだろう。 ありきたりな言い方になるが、言葉の重み、が確実に違うのだ。 万葉の時代、人々はこの国が 言葉の持つ神秘な力で幸福がもたらされる国だと信じた。 言葉には霊が宿っている、と信じられていた。 だから、言葉はとても大切なものだった。 しかし、 言葉に魂を吹き込むのは、人間なのだな、 と、今日その人の言葉を聞いて改めて思った。 生き様が、その言葉に現れる。 どんなに立派な言葉を使っても、軽い人の言葉は軽い。 それを聞き分ける心も、確実に求められている。 現代の言霊とは神の御業ではないのだろう。 今のわたしはどうなんだろう? 正しい言葉を使い、人の心を聞くことができているだろうか。 言霊の幸ふ人。 みんながそうなれたらいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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