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2003年04月06日
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かねてからイギリスにいる間には1度は行きたいと思っていたグランドナショナルに行ってきました。グランドナショナルは世界で一番過酷なレース、まだ日本にいた時、私はその存在をテレビでみて、日本の競馬とは比べ物にならないレースの厳しさに衝撃を受けました。7km以上のコース、常に40頭を超える馬達。山のようにそびえ立つ障害の高さ、馬の足首まで隠す深い芝、アップダウンの激しい整地されていない自然のコース。日本の競馬とはなんとお行儀がよくて丁寧につつましく行なわれているのかがなんとなくわかりました。

リバプールまで高速道路でおよそ北に3~4時間。250km以上あります。バーミンガム、スタッフォード、などを次々に通り越して、リバプール・マンチェスター方面へ向かいます。

グランドナショナルが行なわれるエインツリー競馬場は街からさほど離れていない、駅の目の前というよい場所にあります。レースコースの近くにはパブがあり、みな昼間から飲みすぎている…。みんな騒ぎまくって、パイントグラス(ビールジョッキ)も地面にわれまくっています。そこら中に警官と騎馬警官が配置されています。

イギリス競馬といえば、帽子をかぶって正装したマダムと燕のような格好のジェントルマンがいますが、そのような人達ももちろん続々と参加。次々とリムジンやなんやが中に吸い込まれていきます。

その中には前歯が全部金歯で指にゴッテゴテの金の指輪をつけなまくってフェラーリに乗ってきたお下品な黒人なんかもいらっしゃっておりま。

グランドスタンドに入るには、ドレスコードがあるので、綺麗な格好をしていかなければなりません。男性はネクタイ着用です。ちなみに入場料は27ポンド、5千円以上です。日本の中央競馬の入場料は200円ですから比べるとものすごく高いですね。それだけまだ競馬というのが紳士淑女の遊びであり、身分の違いをまだまだ大切にしていることがよく出ています。

さて、競馬にくるのはリッチでゴージャスな人達だけではありません。一般庶民ももちろん参加です。一般庶民はコースの後ろのほうに回って、10ポンドの入場料で安い席に入ります。ここではドレスコードなんて勿論ありません。ビールを飲みまくって馬券をちらして叫ぶ人達が集まっています。

私達も庶民席に行きました。前売りのチケットはなかったし(ダフ屋はたくさんでてたけど)たいしてよい格好をしているわけでもなかったので(ていうか全然)。

庶民席は芝生の土手と、ちょっとの席、それからブックメーカーが連なって、ホットドッグなどの屋台がバーガーやビールを売っています。


ブックメーカーとは個人の馬券屋さん。イギリスの競馬は馬券収入に頼っていないのでこのように独立したビジネスを競馬場内で許している。各ブックメーカーはそれぞれ配当の倍率が違うので(ブックメーカーのおっさんが他のブックメーカーをみたりして決めている)、自分のお好みの馬で一番高い配当のブックメーカーを探す。

だいたい1時間に1レースさっさと行なわれる。パドック、返し馬なども短い。


レースの間の庶民席。芝生には空き缶や紙くずなどのゴミが隙間もないくらいちらばる。可哀相なのは庶民席なのに正装してきちゃった女性。この荒地にヒールは大変そうだった。

そしてついにグランドナショナル。障害騎手なら一生に1度、勝てたら死んでもいい、という名誉のあるもの。

私の狙いはアイルランドのYOULNEVERWALKALONE(ひとりじゃない)3~4番人気。それとこれまたアイルランドのSPREME GLORY、人気薄。スプリームグローリーは只単にアスペル騎手のファンということで決めました。

コース内では騎馬隊のマーチングが始まっていました。それから国家斉唱。イギリスの国家はGod save the Queen。クイーンがキングに変わったら、歌詞もキングに変わります。なんかオペラ歌手みたいなのが来て歌っていた。後ろにいる人達が「Who!!!????」と叫んでいた。

それからものすごく長いトランペットでファンファーレがなって、スターターが木製の小さな台に上り、GO!!の掛け声と共にレースはスタート。庶民席も物凄い歓声です。



私達は第1障害と第2の間にいたのですが、そこでも1~2頭落馬。

最終的には12~3頭が完走し、その他は落馬や競争中止、5~6人が鼻や手首やあばら、腕を骨折し、フランスのゴグナードという馬が致命傷を負って安楽死処分に至りました。

そのほかにも、破行を起こしている馬もたくさんいて、人間ののも馬の救急車も大忙しでした。

Youlneverwalkaloneは騎手が異変を感じたのか、競争中止、そしてスプリームグロリーは2着に入りました。

勝ったのはアイルランドのMonty’s Passでした。


競争が終わった後のフェンス。コラプシブルなので粉々。


いい天気でした。

馬の倫理福祉が問題になるなかで、歴史や名誉と一緒に常に開催されるグランドナショナル、これからも多くのジョッキーやトレイナーがこのレースをずっと目指します。実際に女王の持ち馬も、最近までこのレースには勝ったことがなく、ジョッキーもかなりのUnder pressureだったと思います。

フェンスは常に改良が重ねられ、少しでも馬の負担を軽くするようになってきています。安楽死された馬、Fatalityの馬が1頭だけ、というのは少ないほうです。

今日は、イギリスの馬産業の大きさとそれに関る人達、歴史とビジネス、それと馬という動物、馬を必要としている国、馬と歴史を共にしてきた国での、馬という生き物の特異性、勉強の必要性を改めて実感した1日でした。感動でした。


*****
ウィペットのレスキュー団体にオーダーしていたスペックの馬着柄コートが届きました。ニューマーケットラグと同じ素材です。あったかいんだよ~~










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最終更新日  2003年04月06日 20時40分20秒
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