仙台を本拠地に来春から始動する女子プロレス団体「SENDAI GIRL’S PRO‐WRESTLING」でエースの重責を担う。「新しいことを始めるのに、わくわくしている」とほおを上気させる。 女子プロの一大タイトル「AAAWシングル選手権」のチャンピオンにも輝いたトップ選手。所属団体が4月に解散し、行き場を失った。「当たり前のように戦っていた場所がなくなるのが悔しかった」 そんな時「みちのくプロレス」の新崎人生社長から声がかかり、この地で第二のプロレス人生を歩むことになった。 3歳の時から2人の姉に連れられて、近所の道場に週3回、柔道を習いに行くようになった。中学校では柔道部を設立。仲間に基本の組み手や技を教えながら、県大会で優勝するレベルにまで引き上げた。「人に教えることが好きなので、全然苦ではなかった」 初めてプロレスと出合ったのは、中学2年の春。地元・新潟県で開かれた新日本プロレスの試合を観戦した。何千人もの観客で埋め尽くされた会場。熱気と興奮にすぐ魅了された。「もう、これしかない」。翌日から毎日5時間、両親の前でスクワットや腹筋をして、プロレス入りを納得してもらった。 プロレスの魅力は「自分がリング上で表現することで、人に感動してもらえるから」。総合格闘技人気などで衰退気味の女子プロだが、「ファンに夢と勇気を与えることができるのは、プロレスが一番」と真っすぐに見据える。 7月から仙台に移り住んだ。「何年かかっても途中で投げ出さずに、仙台から全国や世界にプロレスの良さを発信していきたい」。やさしい女性の顔が、戦う格闘家の顔に変わった。 |