2014/01/10(金)15:47
極上な味と時間
お財布に優しくワンコインでミニ丼まで付いて、CPはメチャメチャ高いし、今時の機械打ち出来立て製麺の蕎麦のデキの良さには感心しますが、
でも、やっぱり、職人が魂を込めて打った蕎麦は、機械が打った蕎麦とは美味いの次元が違うなって私的には思います。
年越し蕎麦ならぬ、年明け蕎麦初めは、やっぱり、お気に入りのあの店で・・・。
寒風吹きすさぶ中、住宅街にひっそりとたたずむ隠れ家一軒。
知る人と知る名店。
時間は13時を周っていたので、蕎麦が残ってるか恐る恐る来店。
「大丈夫ですか?」
「はい!大丈夫ですよ~!」
の店員さんの笑顔に安堵。
「寒い中、ありがとうございます。寒いのでひざかけいりますか?」
という、ささやかな心配りだけで、温まります。
メニューは元々少ないお店なので、
いつも決まって、
「野菜天ぷら付きそばの大盛り」で
待ってるいながら、ふと目をつぶり、店内を流れる小粋なジャズに耳を澄ます。
下世話なおしゃべりをするような無粋なお客はいないし、独り客も多いので気兼ねなく、静かな空間と時間を堪能できます。
耳に優しいジャズの音と一緒に厨房から聞こえてくる、天ぷらを作ってるであろう、音が、まるで楽器か何かを奏でているかのようリズミカルで、なんだか、それだけで、出てくる料理への期待に胸が膨らみます。
ほどなくして、天ぷらは先に登場。
ここの天ぷらは季節ごとに、いつも内容が変ってて、色彩り鮮やかで、どれも美味しいんです。
今回のブロッコリーとカリフラワーがとりわけ甘く、塩を軽く振っただけでも素材の味がしっかり出ててなっから美味かった。
かぼちゃもニンジンも、ホクホクして、甘みが強く、まるで砂糖でも入ってるかのよう。
さらに、天ぷらに続き、メインのお蕎麦が登場。
自家製機械打ちがいくらデキがよくても、扱うのは蕎麦職人ではないので、水切りが不十分で、やや水っぽく感じるけれど、ここの蕎麦は水切りがしっかりしてるから、下に何も敷かないんですよ。
余計な水っぽさが残らず、蕎麦本来の香りを楽しむこともできる。
軽く塩を振って、するりと手繰れば、蕎麦の芳醇な香りがふわり。
辛めの汁にちょこっとつけて、一気に手繰れば蕎麦の美味さ、みずみずしさが口いっぱいに広がり、自然と笑顔に。
さらに、ここのウリは、店主さんのこだわりで、この時期でしかお目にかかれない、薬味で、一枚目の写真で解る通り、一般的なわさびではなく、紫の辛味大根を薬味に使ってます。
これが、わさびと違って、適度な酸味とキリっとした辛味で、ここの蕎麦の旨味を上手く引き立てて、極上の味になるんです。
季節物なので、だいたい3月までしか、大根が流通していないそうで、この時期だけのお楽しみなんです。
そして、最後のシメはトロリと濃厚なポタージュなそば湯で。
やっぱり、蕎麦が美味いと、そば湯ももちろん、美味いのも当然。
美味い蕎麦の余韻を感じつつ、最後の一滴まで御馳走さまでした。
(*´Д`*)まぃぅ~