2008/07/04(金)01:33
羅宇交換
煙管が壊れた。
羅宇にヒビが入り、そして割れた。
まぁ、羅宇は消耗品で交換するものだから、壊れるのは仕方が無い。
取るべき選択肢は3つ。
(1)新しい煙管を買う。
(2)壊れた煙管を修理に出し、羅宇を交換する。
(3)自分で羅宇を交換する。
まず、(2)は非現実的。
私の煙管は既製品。修理に出すよりも、新しく買った方が遥かに安い。
ならば、(1)か。
どうせなら、少し良いやつにしたい。
今、欲しい煙管はコレ。
真鍮に銀鍍金が施され、蜻蛉の彫が入っている。
蜻蛉は、別名「勝ち虫」と言う縁起物。
(1)害虫を捕食し、(2)前にしか飛ぶことが出来ない(後ろに下がらない=不退転)ことから武士に好まれ、「勝ち虫」から「戦に勝つ」「賭け事に勝つ」に転じる。
競馬をやる私にとって、「賭け事に勝つ」縁起物は是非とも欲しいところだ。
税抜で9,000円。
何が彫られているのかは分からないが、こっちも良いな。
こちらは税抜で5,500円。
しかし、煙管愛好家は、竹を買ってきて自分で羅宇の交換をするらしい。選択肢の(3)だ。
雁首と吸い口は、今使っている煙管のものを外せば良いだけだから、竹さえ手に入れば良い。
しかし、竹林に生えている竹では太すぎる。
直径は10mm程度でないと、雁首と吸い口が入らない。
まぁ、少し太い程度であれば、鉛筆削りでガリガリと削ってテーパードにすれば入るだろうし、細ければ竹の皮を巻きつけてから捻じ込めば問題無い。
で、ホームセンターに行って買ってきた。
まずは、壊れた煙管から雁首と吸い口を取り外す。
そして買ってきた竹を節の手前で切る。
何故ならば、ウチには節抜きを出来る道具が無いからだ。
まぁ、あったところで径が細すぎて割れてしまうかもしれないから、節抜きはやらないが。
雁首と吸い口を付けてみた。
なんと、30cmものさしと同じ長さ。
今までは20cmの煙管だったのに、30cmの長さになってしまった。
切り詰めて調整しようかと思ったが、のこぎりは既に片付けてしまった。
もう一度出してくるのも面倒臭かったので、「まぁ、これでいいか」と納得させる。
こだわり≦面倒臭さ、というのもどうかと思うが、面倒なんだから仕方が無い。
きっちり30cm。
30cmというと花魁煙管と同じくらいか?と思い、試しに花魁の様な持ち方をしてみる。
掌を上向きに3本指で持って、人差し指を雁首の方に長く伸ばすアレね。
なりきって「~でありんす」と言ってみたところで、私は男。
どうせ気持ち悪がられるだけだろうから、辞めておきましたであります。
って、これではケロロ軍曹か。
しかし、羅宇交換は面白い。
竹が真ん丸ではなかったので、削らないと入らなかった。
チマチマと削るのは非常に面倒だったが、あれはあれで面白い。
面倒臭がりのくせに、妙なところでハマってしまう。
当然のことだが、竹は太さも違う。根本側が太く、先にいくに従って細い。
吸ってみたら、隙間から煙が漏れたので、竹の皮を噛まして隙間を埋めなければいけない。
しかし、もうここまで来ると、手間が掛かる程に面白く感じてしまう。
無理矢理にでも不具合を探してやろうと思う。無ければ作ってやろうか、くらいまで思った。
すっげー、面白い。
壊れたから買うと言うのは当然のことかと思ったが、こういうのは面白い。
まだまだ竹はあるので、早く壊れないかなと思う始末。
壊れたら、嘆くよりも先に嬉々として交換するな、きっと。