黒部に恋してる(2) 黒部ダムへの道
黒部その2
小説「高熱隧道」の紹介を前にしましたが、今回は黒部ダムへの案内をします。
現在黒部ダムへは、4つのルートでたどり着くことができます。
(そのうち、公共交通使えば行けるルートは二つ)
(あと、他のルートもあることにはありますがここでは割愛させていただきます)
それぞれのコメントにつきましては、わたくしまだ黒部に行ったことがありませんので、あくまでも私個人が関西電力や黒部峡谷鉄道、立山黒部アルペンルートのサイト及び行った方の個人サイトで調べた時の感想であるということをご理解の上お読みくださればと思います。
あと、どのルートも冬季には閉鎖されますことも申しておきます。
(いつ閉鎖されるかは下記サイトなどで各自確認お願いします)
関西電力黒部ダムオフィシャルサイト
http://www.kurobe-dam.com
立山黒部アルペンルート
http://www.alpen-route.com
黒部峡谷トロッコ電車
http://www.kurotetu.co.jp
1. 長野県扇沢から関電トンネルを関電トンネルトロリーバスで
JR信濃大町駅から路線バスで、あるいは車で関電トンネルトロリーバスの扇沢駅に行き、トロリーバスで行く方法です。
これが一番早くて(片道16分)、乗り物で行く中では安上がりな(大人片道1500円、往復2500円、子供は半額)ルートだと思います。
日帰りで黒部ダムを見たければ行きも帰りもこれ、というのが唯一のルートではないでしょうか。
(それでも大阪や東京からだとかなーり強行軍になりますが)
ただ、時間によって、あるいは夏休みや紅葉の季節の土日祝日は混雑のためギュウギュウ詰めにされるどころか乗れないことも覚悟しないといけないようです。
(しかし口コミサイトなんかで、「運賃が高い」だの「混雑だからバスの間隔や車両増やせ」だの文句言って、ここがあくまでも黒部ダム・黒四発電所の資材運搬用トンネルで、純粋な観光用のトンネルじゃない(ちなみにここを見ると、資材運搬用の車両もあらかじめ決まったダイヤに従ってトンネル通るそうな)こと知らんアホが多いのには閉口するわ…)
2. 立山黒部アルペンルートで
ケーブルカーやロープウェーやトロリーバスなどいくつかの違う乗り物を乗り継ぎます。
乗り物大好きな太陽仮面個人的にはわくわくするルートですね。
途中の立山の景色なども捨てがたく、ただ乗り物乗るだけではもったいないような気もします。
ただし、当然お金や時間はかかりますし、大量の荷物を持っていると乗るの大変ですし(注;有料で指定のホテルまで運んでくれる業者もあります)、乗り物に弱いと途中でリタイアになるかも知れません。
ですので、これはどちらかというと黒部ダムを第一目的に、というよりは立山もゆっくり楽しんで、時間があれば黒部ダムもしっかり見る、という目的で使われるとよいと思います。
3. 宇奈月から黒部峡谷鉄道および関西電力黒部専用列車、インクライン、バスで
宇奈月から、街でよく走っている電車に比べ線路の幅が狭く、車体も小さい「トロッコ電車(電化されていないので電車ではありません、愛称です)」で黒部の美しい景色を堪能し、そしてさらにちっちゃな列車で「高熱隧道」を通り仙人谷ダムを眺め、黒部川第四発電所を見学、そしてインクラインとバスで黒部ダムにGO!
まさに前回の冒頭で紹介した記事そのままのルートでございます。
普段暮らしていると絶対乗れない乗り物にも乗れて、昭和の黒部における電源開発の歴史も分かるという一粒で二度も三度もおいしいルートです。
と、さらっと書きましたが、本来このルートを通れるのは関電の職員または発電所/ダムのメンテナンスをする人に限られます。
でも一般人も関電及び富山県がやってる見学会に応募して当選すれば、このルートで黒部ダムにたどり着くことができます。
(詳しくは関電北陸支社あるいは富山県観光・地域振興局地域振興課へ)
(あと大きな声ではいえませんが、大学のパワーエレクトロニクス研究してる電気工学科やダムを研究している土木工学科の教授などで、関電の偉いさんと深いコネがある方ならば、見学させてもらえるようです…)
ただし、見学会は5月下旬から6月~11月半ばの平日しかやっていませんので社会人には厳しいですし、抽選の倍率も、6月および11月で1.4~4.5倍、学生の夏休みに当たる7月下旬や8月、紅葉の季節である10月には多いと約7倍となっています。
あと、見学会の概要見たら応募(見学)できるのは「小学校5年生以上で、乗り物の乗降や階段の歩行に支障のない方」となっていますので、小さなお子さんや杖なしで歩けないお年寄りのご家族と一緒に、は無理です。
でも、黒部には自然や温泉がたくさんあるので、黒部ダムに行けなくても、トロッコ電車に乗って温泉やアウトドアを楽しむだけでも十分に元は取れそうですね。
私も来年何とか休みを取って、見学会に参加することを目標にしています。
(でも多忙で絶対に行けない小熊はすねるだろうなぁ)
4. 徒歩
昔から人を寄せ付けないと言われた黒部峡谷ですが、前にも書きましたように昔から水力発電の適地として大正時代から電源開発がされてきたところです。
大正時代にその電源開発の調査のために、「下の廊下」と呼ばれる場所の、山の中腹の岩を削るように作られた欅平から仙人谷までの道が水平歩道、そして昭和初期にさらに上流の調査のために仙人谷から黒部ダムまで作られたのが日電歩道ということで、だいたい片道30kmほどあるようです。
それで水平歩道と日電歩道の境は仙人谷ダムのようで、途中ダムの管理事務所や関西電力黒部専用鉄道の線路沿いを通っていくのであります。
じっさい、「高熱隧道」でも主人公はじめ関係者が水平歩道(小説内では「日電歩道」)を通るシーンが出てきて、黒部峡谷における貴重な連絡路だったことが伺えます。
で、現在もこれらの道は関電職員が電力関係の施設の点検するために通ることや、関電が黒部ダムを建設する条件として毎年整備することが当時の厚生省から義務づけられていて、年3000万円ほどかけて維持管理されてますんで、道はきれいだと思います。
しかしこの(デイリーポータルZ内の記事)など行った人の体験記読むかぎりでは、太陽仮面は断言します、というか、欅平から12kmにある山小屋「阿曽原温泉小屋」(http://azohara.niikawa.com)でも「登山は自己責任で」の文字があるくらいですから、これはある程度険しい道の登山の経験を積んだ人でないと危ない。
しかも開通当時よりは道幅は広くなったとはいえ広くて1メートル、さらに雪解けのあと(だいたい7月から8月)で整備をしますので通れるのは9~10月の間の約2ヶ月、雪が多かった年は通れないことがあるとのこと。
あと、寝たりお弁当広げたりと休めるところは阿曽原温泉小屋および近くのキャンプ場のみのようです。
私は登山をしないので絶対に通らないルートですしそもそも普通黒部ダムに行く目的の人が通るわけないのですが、もし経験がある程度おありの登山好きの方ならばということで紹介いたしました。
以上黒部ダムへの4つのルートを紹介いたしましたが、この周辺って豊かな自然環境あり、温泉あり、魅力的な資料館や美術館たくさんあり、お寺ありと黒部ダムだけでは本当にもったいないので、一度まとまった休みを取ってとことん訪ねてみたい太陽仮面なのでした。