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太陽仮面の日々

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2007年06月23日
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カテゴリ:てれび&えいが
今朝、一人で観ていたDVDです。

時は第一次世界大戦中、日本のある俘虜収容所にドイツの捕虜がやってきました。

それまで他の収容所で人間以下の扱いをされていた捕虜たちは、そこの人道的な待遇に驚きつつも、収容所長さんや地元住民との交流を通して、やがて収容所内の自分たちの特技を発揮できるところで働き、最後に「よくしてもらったお礼」として「第九」を演奏する、という実話をもとにしたお話です。

ここからは作品についての感想。

松平健演じる収容所長もなかなかコミカルなところもあって素晴らしいですし、何よりも所長を誰よりも理解する夫人役の高島礼子がよかったですね。

それに、(実際にあった話とは脚色は多少あるようですが)作品全体に、
「戦争では敵味方になって戦っても、武器を持たなかったら敵も味方もない、同じ人間やないか」
という考えが貫かれていたところに私は考えさせられましたね。

同じ人間と分かっていながら「敵である」立場の人間に対して、仲間と同じように扱うのはなかなか難しいことですが(実際、この戦争で息子を亡くした所長宅の馬丁は、最後までドイツ人に敵対心を持っていたようですしね-最後はほんの少し和らいだものの)、所長はなぜここまで人道的に「敵」を扱えたんだろう?

その答えとして、同じ人間なのに父が会津藩士であるおかげで、「政府の敵」とみなされ人間扱いしてもらえず貧しい少年時代を過ごし、軍人になってからも他の将校に「会津人」というだけでバカにされる、という辛い思いをした、ということがありそうですが、それだけではなくこの人の人柄、というところによるものが大きいようですね。

でも、いくらこの映画の時点で捕虜と地元住民とが良好な関係をつくれても、最初はそうなるために苦労したんだろうな~。

今と違って当時は神戸とか横浜とかでない限り、肌や目の色が違う外国人を見ることなんてめったになかったでしょうしね。

だからドイツ人を父にもつハーフの女の子も、父の生死を尋ねに収容所に来るまで親戚からも差別され、一人っきりで(母親は病死)居場所がどこにもなかったんですね。

これはなにも80年以上前の話に限らず、敵味方なんてないはずの今の日本いや地球上でも、いろいろな民族、人種、宗教の人を、人格的に同じように扱っているだろうか?ということまで考えてしまいましたね。

これはNHKの「その時歴史が動いた」でもやっていましたが、「第九」の合唱の歌詞に、こんなフレーズがありました。

「汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で」

この詩を思い出し、すべての人が喜びにあふれ、「兄弟」になれる日が来たらなぁと、この映画を観ていっそう強く思いましたね。





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最終更新日  2007年06月24日 00時34分54秒
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