2009/04/30(木)03:37
遠くて近い、愛する男 その3
今回はこれとかこれとかの人間ではなくて、先日「大好きだー」と言った、昔飼っていたシャム猫のことです。
彼が家に来たときは、私は小学生で、彼は本当に生まれてまだ数ヶ月の時でした。
彼の親とか、飼い主のことは私は全然知りません。
ただ、初めて出会った時は、入れられていた箱の中で、「う~~~~」とうなっていたことを今でも思い出します。
それから、十数年間、彼は家族の一員でした。
彼より少し後に生まれた私の弟にいじめられる時にはプライドを持って刃向かい(弟には、私らにはしないほど噛んで引っ掻いた)、私らがえさを食べさせようとする前には数メートル離れたところからも飛ぶようになり、気に入らないえさには「砂をかける真似」をして絶対食べない意思を示し、家の(レバーがある)ドアは自分で開けるようになりました。
で、それから十数年後、病気に気づいた時には、もう手遅れで、死を待つばかりでした。
動物病院に行った時、他の元気そうな猫が先生を噛みながら健康診断を受けている時、死にそうな彼を見て情けない気分でいっぱいでした。
もう少しでも早く、彼の異変に気づいていたら、もっと長生きできたかもなのに…。
彼は家族の中で息絶えて大事に葬られましたが、最近まで私は「早く病気を見つけてあげらなくてごめんなさい」という罪悪感にさいなまれていました。
昨日、ジャズサックスプレーヤー・渡辺貞夫さんの「ポゴのテーマ」を見てやっと、「○○(飼い猫の名前)ありがとう」と言えるようになったくらいですから…。
ともあれ、何年か前愛していたナメクジが突然の死を遂げたこともあり、もう動物を飼うつもりはありませんけどね…。