プリンシプルのない日本白洲次郎の”プリンシプルのない日本”おそらく1950から60年代のエッセイである。 白洲次郎は吉田茂の特使をしたり、東北電力の会長をしたりした人である。 作家の今日出海は彼のことを称して”育ちのいい野蛮人”といっている。 彼にはいろいろな逸話がある。 アメリカの高官に英語でのスピーチをしたところ、その高官から ”君の英語はなかなかすばらしい”それに対して白洲は ”君の英語はたいしたことはないね”と言い返した。 GHQをして「従順ならざる唯一の日本人」と怖れられていた。 また、軽井沢ゴルフクラブの理事長になった際、田中角栄に対して、”君は日本語が読めないのかい”といったとか 無断でタオルを持ち去る人が多く、それを禁止した張り紙を田中が無視したからである。 日本の外交に対しては, ”どうせ軟弱外交といわれるのなら、いうことだけは正しいことを言ってほしい。 力をつくって今にみていろという気迫を皆を持とうではないか” 解散のない参議院議員が首相になったらどうするんだ、内閣の過半数が参議院議員になったらどうするんだ、議会民主制を保てないので衆議院だけにしろ などである。 背筋の伸びたかっこいい日本人がいた。 |