岩津ねぎ、そして青野菜でサラサラ血液岩津ネギという料理研究家の土井勝氏(1921・1・5– 1995・3・7 )が、白根だけでなく青葉も美味しく食べることができ、柔らかくてまろやかさが冬場の鍋料理に良く合うと絶賛したねぎがある。この岩津ねぎは、関東の根深ねぎ(白ねぎ)と関西の葉ねぎ(青ねぎ)の中間種で、青い葉の部分から白い根の部分まで、余すところなく食べられのが特徴である。 白根も青葉も無駄なく食べれる生育中の岩津ネギ(11月ごろ) また、直径が4~5センチほどの肉厚の太い岩津ねぎの白根の部分を焼きネギにしてあつあつのままほおばると、口の中でとろけるようなとろ~りとしてジュ~しいな、なんともいえない甘~い独特の風味が口の中でいっぱいに広がり、岩津ねぎの旨さをたっぷりと味わうことが出来る。 石油ストーブなどの直火で、アルミホイルなどに包まずに白根をむき出しで焼いて皿に乗せて、真っ黒に焦げた一皮を割り箸で強く挟めば中味がするりと抜け、それを口の中をやけどしそうになるほどのあつあつのものをタレなど使わずにそのままほおばって食うと、岩津ねぎの旨さをしっかりと味わうことができる。 さらにまた、白髪ねぎにして、水にさらさず、そのまま刺身で食べても旨い。 剣山でしごく、というお手軽な白髪ねぎの裁き方もある。 この岩津ネギは、江戸時代に生野銀山で働く人々の冬場のビタミンCを含む栄養源として栽培され始めて、今では下仁田ネギ、博多万能ねぎとともに日本三大葱の一つと言われるようになっている。 産地は、氷ノ山の東の中国山脈の日本海側の山腹を少し降りた朝来市の岩津という雨や雪の多いところである。 ※ ※ ※ 岩津ねぎは、青い葉の部分をもおいしく食べることが出来るが、岩津ねぎはもとより、野菜の青い色というのは葉緑素で、この葉緑素というものは、血液の素である血色素と化学構造式が非常によく似ているということだ。 説によれば、どちらもピロール核というものが四個あって、その真ん中にマグネシウム(Mg)が一分子入っているのが葉緑素で、マグネシウムに代わって血液の赤い色素、鉄(Fe)が一分子入っているのが血色素(ヘモグロビン)であるいうことだ。 植物の葉緑素と人間のヘモグロビンの違いは、中心の元素がマグネシウム(Mg)であるか、鉄(Fe)であるか、だけの違いである。 葉緑素が身体の中に入ると、ピロール核のマグネシウムが鉄と入れ替わって真っ赤な血色素になる。 従がって、太陽の光をたっぷりと浴びて育った葉緑素の多い青野菜をたくさん食べることにより、血色素が沢山作られてサラサラの正常な血液が増えるということになる。 ところで、鍋には白菜、トンカツやフライ物には、キャベツが多用されるが、これらの結球野菜は自分の葉っぱに包まれて育っているので、太陽の光をたっぷりと浴びて育ったとは云えず、従がって葉緑素も非常に少ないので青野菜とはいえないのである。 血液をサラサラと流れやすくするためには、微アルカリ(Ph7.4)に保つことが大切である。 そのためにも、青野菜をたっぷりと食べることが大切であるといえる。 青葉もたおいしくっぷりと食べられる岩津ねぎの良さがこのあたりにもある。 わが家では、自家圃園で無農薬栽培した大根やかぶらの葉っぱの虫食いの少ない内側の柔らかくて旨そうな部分も、一度湯がいてから細かく刻んでわかめなどとともに、毎朝のみそ汁の具材にして、葉緑素を身体にとり込んでいる。
|