2013/02/08(金)19:52
自然薯の『りゅうず』を植える
昨年の秋に収穫して美味しく頂いた自然薯を植えた。
生ゴミ堆肥ステーションで育てていた立派なヤツだった。
直径で言えば、4,5センチ、長さで言えば50~60センチくらいのヤツだった。
勿論、自然薯であるから、太いところや細いところがあり、その上、曲がりくねってもいる。
スーパー等の店頭でみかける、いわゆる『長芋』というヤツのように素直な姿とは似ても似つかない。
洗って土を落として、丁寧に皮を剥いて大根おろし器でスリバチにすりおろして、そのあとスリコギでする。
スリバチにはくっつかないほどの粘り気のつよいヤツだった。
薄めてとろろ汁にするなんて、まったくもってもったいないので、そのまま味噌汁椀に入れて箸でつまんでもすべり落ちることも無いほど粘り気が強い。
おそらく、とろろ汁にするために薄めることなど出来ないであろうほど、強い粘りである。
これでこそ、本物の自然薯である。
粘り気においては、全く、『長芋』とは異質のしろもの、としか言いようが無いほどである。
これだけ、立派でうまい自然薯であったので、また、生ゴミ堆肥ステーションの肥料の多い土のなかに再び植えるのはもったいないので、自然薯栽培用の1メートルほどの長さのパイプを買って、肥料気のない土を詰めてそれに植えるのである。
古い雨樋があれば、そこに植えても立派に育つが、生憎、手元になかった。
パイプのなかには、山の土や赤土などが良いようであるが、手に入れるのに手間がかかるので、川砂をいれて育てているひともある。
私の場合は、川砂が手元に持ち合わせが無く、川原で採取してくるのも手間がかかるので、籾殻を詰めてみた。
なんで、こんな手間をかけるのかといえば、パイプに詰める土は、肥料分があると、芋肌が黒くなりその上肥料を吸収するための太いひげが沢山生えてくるからである。
山の自然の中の自然薯は、首元からのみ腐葉土などの肥料を吸収して、芋の部分は岩や木の根の間をぬって伸びて行くので、ほとんど肥料を吸収することはない。
美味い自然薯を栽培するためには、似たような環境で栽培する必要がある。
そして、パイプは芋がパイプの中で地中に向かって伸びるように15度以上傾けて土に埋め込む。
『りゅうず』の根元には、適当に肥料を施しておく。
そして、寒さで『りゅうず』が傷まないように、たっぷりと土や籾殻をかけておく。
自然薯の首元のことを、『りゅうず』と呼んでいる。
店先に並んでいる自然薯は硬くて細くて食べることが出来ないこの『りゅうず』は切り落としてある。
栽培者はこの『りゅうず』を再び植えるのである。
この『りゅうず』を植えると、自然薯は以前の長さに負けないくらい長く育ち伸びるのである。
自然薯は芽が出て支柱につるが巻きつき伸びて、秋には、実がつく。
これを『むかご』と呼んでいる。
『むかごめし』などに使われる、その『むかご』である。
これを植えても、自然薯は、育つ。
しかし、掘って食べられるような大きく育つまでには、5,6年、いやそれ以上の年月がかかる。
しかし、おおきく育った自然薯の『りゅうず』の部分を植えると、翌年も同じような立派な自然薯を収穫できるのである。
この『りゅうず』は、なかなか手に入れることが出来ない、自然薯本体の芋より貴重品である。
栽培者が手元に残して、手放すことなどない貴重品である。
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小さい自然薯の『りゅうず』は、自然薯用パイプを使うのがもったいないので、新聞紙を丸めたパイプを作って、自然薯用パイプに植えるのと同様に籾殻を詰めて斜めに掘った穴に埋めておいた。
この、新聞紙を丸めたパイプで今年の秋に自然薯が育っていれば、新しくパイプを追加して買うことなど必要がなくなる。
ちょっとした、実験である。
自然薯の栽培にも、こんな工夫と楽しみがあるのだ。
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『りゅうず』とは、もしかして、『竜頭』とでも書くのだろうか?
腕時計のねじを巻くときのねじの頭も『竜頭』と呼ばれている。
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我が家の究極のエコ『生ゴミ堆肥ステーション』で仲良く育つにんにくと自然薯
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