2014/07/01(火)10:28
わが家の秘伝の糠床はジューシーな天然醸造酢の宝庫
わが家の糠床では今が旬のキュウリやナスが横たわっている。
そして、春播きの間引いた細いごぼうやにんじんが底のほうで横たわっているはずだ。
さらにその上、二週間ほど前に収穫したニンニクもあちらこちらでゴロンゴロンしている。
ごぼうやにんじんは、充分に漬かっているはずだから、手に触れたものがあれば、もう、引き上げてもおいしく頂ける。
美味しそうな黄金色になって漬かっているきゅうりやなすを引き上げて食卓に並べて毎朝いただくと、きゅうりもなすも、天然の醸造酢がしっかりとジューシーに染み込んでいる。
糠漬けとして味わうだけでなく、市販の醸造酢では味わえない、市販の醸造酢と比べてみても、はるかに酸味も強くなく米麹特有の甘みを感じる美味しいジューシーな醸造酢も合わせて味わえることがわが家の特製の糠漬けである所以である。
これこそ、旬の食べるのに困るほど採れ過ぎた野菜がもたらしてくれる”菜翁が旨”みであろう。
ちなみに、わが家の糠床には、適宜、米麹を加えている。
昆布は1センチ×3,4センチくらいの短冊のまま、これも適宜加えている。
一晩置くと昆布がぬめっているのが分かる。
そのまま2,3日するとすっかりと柔らかくなって、市販のものでは味わえない、糠床の天然醸造酢を含んだ美味しい”酢昆布”が出来あがっているので、これも漬物と一緒に皿に載せる。
また、”鷹の爪”はこれもわが家の菜園で採れて軒下に何年も吊るしてしっかりと乾燥しているものを、ちぎり取って鷹の爪の姿のままで糠床に漬けこんでいる。
漬けこんで2,3日も経てば、糠床の天然酢の水分を吸収してぱんぱんに張っているがそのまま放置して、その後はなるがままに自然に任せている。
そのほか、聖護院丸大根で冬場の寒風に晒して蛸ぼしを作っているころに、長大根を切り身にして干して冷凍保存していた大根を糠床ぬ漬けこんで簡易沢庵漬けも漬けている。
糠床というものは、便利なものである。
好きな旬の野菜をなんでも漬けこめる。
糠漬けなどという、単純なものではない。
米麹により発酵した塩麹漬けでもあり、自然に発酵した天然醸造の酢漬けでもある。
その上に、毎朝、この糠漬けを引き上げてシンクで洗って切っているので、シンクやまな板も知らず知らずの間に天然醸造酢での消毒にもなっているようだ。
降った雨は数時間以内に国の周りの海に流れ込んでしまうほどのきれいな川のきれいな水で育った美味しい米、
四季の気候の変化ときれいな水がもたらしてくれる野菜に加えて、きれいな水が流れ込んだ海から採れた塩、
そして、酒や高野豆腐、味噌、醤油など、そして漬け物などそのさまざまな工夫が織りなす伝統的な保存食からなる和食の特徴を充分に享受して、健康な日々を過ごしたいものである。
と、思う日々である。