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愈々庵気まぐれ日記

愈々庵気まぐれ日記

カナダのエルク

10年くらい前の話になるが、カネディアンロッキーに行ったときの話。

その時だけは豪華にいこうと決め、Chateau Lake Louiseに3泊、
Jusper Park Lodge に3泊した。
Lake Louiseでは、雨の日はホテル内の美術工芸品を見たり、
天気の良い日は公園のバス(我々の日は1台)だけが入れる
Lake O'Hara地域のハイキングなどして多くの野生小動物を
見物していた。

Jusper Park Lodgeでも3泊したが、ここは宿泊している
コッテージの前まで野生の大きな動物がやってくる。
ムースについで大きな鹿類で、馬ほどの大きさのエルクがやってくる。

ある朝でコッテージの前の湖畔に出てみた。その時1メートルはある
大きな角(ホーンではなく、アントラー)の雄のエルクが近づいて
きたのでシャッターを切ったが、まだ朝が早かったのでフラッシュが
点灯してしまった。
まじかで正面から閃光で打たれたエルクは私をめがけて突進してきた。
9月は繁殖期の始まりなので雄には注意するようにとは忠告されていたが、フラッシュは誤算であった。
私に出来ることはカメラを投げ捨て、自分にも信じられない速さで
逃げることだけであった。

しかし、根が優しいエルクのこと、十数メートルのチェイサーで
諦めてくれた。と言うより多分バカバカしくなったのだろうか、バーカと言って(多分)90度方向転換して朝の湖に入り、対岸目指して泳いでいった。

いそいで戻りカメラを拾い上げた私は湖を泳ぐエルクの写真を撮った。
即日焼き付けたが、ホテルのDPE店の店員が感心してくれた。彼曰く、「2,3年ここに居るが、エルクが泳いでいるのはまだ見たことが無い、すごい写真だ」。しかし馬鹿チョンカメラでの映像では人にお見せできるほどのものではない。それでも私にとっては忘れがたい経験である。


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