散歩道・樹木の色付き
前ブログで散歩中の腰掛石からの雑感を記したが今回は季節外れの樹木花を見てみよう。草花は春に咲くのが多いが木花は秋に咲くものが結構多い。まず目に留まったのは皇帝ダリア、一般に木花は小さいものだがこれは大柄な花である。この木は一年で1メートル以上も伸びるようで庭木には向かないが、10-20センチもある大柄の花をつける。正式名は「木立ダリア」のようであるが英語名もDahlia Imperialisなので「皇帝ダリア」の名は直訳かもしれない。樹高は高く人間の背を遥かにしのぐが花弁を下向きに咲かせてくれるので美しく眺めることが出来る。皇帝ダリアよりももっと大型の花を咲かせているのがダツラとかダチュラとか呼ばれる朝鮮朝顔科の花で、長さは30センチ近い。他の朝鮮朝顔科の植物同様、毒性の強いアルカロイドを含んでおり、広くは普及して欲しくない植物である。隣の紫花はノボタンで、木立の花であるが葉も花も小型の草花である姫ノボタンは園芸店でよく見かける。今の時期、実が美しいマンリョウ、見分けが難しいセンリョウがあるが、前者は葉の下でバラバラに実が成り後者は葉の上に固まって成る。一両は現代の値打ちでは15-30万円と言うから万両と千両では3億円と30億円と大違いだが、昔の人には、どちらもとてつもないお金と言うことで庶民にとっては1,2,3・・・沢山の類だろう。ヤツデの花の蕾が沢山ある、写真からは花なのか実なのか分からずWikiで調べると、開花は冬だそうで今はまだ蕾のようだ。早春にかけて実を結び、熟れると紫色になるようだ。天狗の団扇として知られ、よく見かける植物だがその生態を知ったのは今回が初めてである。山茶花(サザンカ)と代々(ダイダイ)。ダイダイは普通「橙」と書くが「代々」とか「回青橙」とも綴られるそうだ。その起こりはこの果実の特殊な生態にある、すなわち夏青い果実が秋に熟れると橙色に変じ、冬を越すと落果せずにまた青くなるということだ。そこから代々栄えるということで屋敷に一本植えることが多い。70年前私の実家に橙の巨木があって、たわわに実が成っていたが食べられない柑橘類とあって子供心に全く関心がなく回青現象は全く記憶にないのが残念である。サザンカ(山茶花)の当て字も難しいが山茶花(サンサカ)からの転化とみるのが一般的で、中国で椿のことを「山茶」と書くからとか山茶花の葉をお茶にしたことなどが語源のようである。雑木の中に黄色く色付いた木があり、よく見るとベニガシワである。新芽や新葉が真っ赤で春先には美しい雑木であるが、こんなにきれいに色付くとは認識していなかった。春の赤、夏の緑、秋の黄色とくれば雑木と称するのは可哀そうである。つる性植物を草と言うべきか樹と言うべきか分からないが、多年生には違いないのでここで取り上げると、このアブチロンと称する植物もほぼ年中花を持ち、赤・黄色の蓋と花弁が美しい。今までいろんなところで見てきたが垣根を這っていたり、植木鉢に植わっていたりして灌木と思っていたが、調べてみると蔓性と樹性の2種類があるようだ。最後はアイビーの紅葉、この植物は蔓から出る絡み髭の先にヤモリの足先のような吸盤状のものを持ち、石材、コンクリート、レンガ、木材等どんな材質にも強固にくっつく。イギリスやアメリカのニューイングランド地方に多い歴史的建造物の壁にまつわり付いたアイビーの真っ赤な紅葉は伝統を具現化した景観である。アメリカ東部の伝統的私立大学(ハーバード、コロンビア、プリンストン、イエール、ブラウン、コーネル、ダートマス、ペンシルベニア)間のスポーツ連盟をIvy Leagueと称し、これらの大学ではキャンパスに蔦に覆われた歴史的建造物を持つことからIvy Schoolと呼ばれ、Ivy Styleなどの言葉が派生している。Ivy Leagueは東京六大学野球連盟のようなもので、日本の早慶戦(野球)、アメリカのHarvard vs Yale(フットボール)、英国のOxford vs Cambridge(ボート)は世界の三大大学スポーツと言われていた。またまた一つのブログにするには纏まりの付かないこじつけに終わってしまったが、例によって「気まぐれ日記」である。乞容赦