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愈々庵気まぐれ日記

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2010.05.21
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カテゴリ:カテゴリ未分類

続 松脂の用途

 少し歴史を振り返ってみよう、象を引き連れてアルプスを
越え北からローマを攻撃しようとしたカルタゴの将軍
ハンニバル名を知っている人は多いだろう。
カルタゴは地中海を支配していたフェニキアの植民地で
ある。なぜフェニキアが地中海を支配しえたのだろうか。
それは有名なそして今は絶滅に近いレバノン杉の
おかげと言ってもよいだろう。フェニキア人たちはこれで
ガレー船を建造して地中海を駆け巡った。
 
ガレー船 ガレー船
 
杉と訳されるが材質としてはむしろ松だったようである。
大きな板が作 れ、それ以上に大切だったのはこの木が
松のように多量の樹脂を含んでいるため撥水作用と
防腐作用を持ち、船材に最も適していたためである。
 レバノンの国旗にも描かれているこのレバノン杉はこの
ように して使い尽くされWikipediaによると2004年
現在1200本しかない絶滅危惧種で、樹齢1200年を
超 えるものは400本しか無いそうである。
現在再生運動が行われていると聞いている。

松脂を含む樹脂(resin, rosin) 製品を英語でnaval store
(海軍の貯蔵品・軍需品)と言うことがある。中世・近世に
おいてもヨーロッパの海軍は船に塗りこめるためこの
樹脂を大量に必要とした。
日の没することの無い海洋帝国を築いた英国海軍への
naval storeの供給源はスエーデンとアメリカの
松の木であった。アメリカ東部の松ノ木は樹脂を取る
ために乱伐され、現在 は殆ど見なくなったようである。
西部の国立公園には今なおこれらの大木が茂っている。
 
pine   tree
 
この松脂から取ったテルペン油、ロジン、ピッチ等全ての
ものを指してnaval store (海軍軍用品)と言う。
松脂が重要な軍需品だったなど現代では想像しにくい
ことだろう。
 
私は子供の頃肥後ナイフを使って1センチ位の船型を作り、
その船尾に松脂をつけて洗面器に浮かべると、水の上に
樹脂の膜が出来て船はエンジン無しで前進した。
都会の子は樟脳をつけたらしいが田舎っこは松の幹から
出る松脂を取ってきて使ったものだ。
 
松脂でもう一つ思い出すのは松 根油である。
太平洋戦争末期、日本の航空隊に燃料は尽きていた。
松の切り株から根を掘り出し、それを裁断して乾留し、
油分を取り出して航空燃料とした。それが「松根油」である。
松の根にはとりわけ樹脂分が多かったが、それだけでは
間に合わず、故 郷の山では軍の命令で松の幹に
あばら骨のように斜めの溝を掘 り、出てくる松脂を集めて
軍に供出させられた。 メイプルシロップや漆液を採集する
要領である。 軍はそれから液体部を分けて松根油を作り、
飛行機の燃料にした。今でも公園や海岸の松林にその
醜い傷跡を見ることがある。
私の故郷の近くに海軍航空隊があり、飛んでいる
飛行機のプロペラも胴体も翼も木目のはっきり見える
木製の訓練機が真っ黒い松根油の煙を吐きながら
低空で訓練飛行するのをよく見たものである。
 
 
もっ と凄い話はバスも木炭を不完全燃焼させる釜を車外に備え
発 生したガス(一酸化炭素)を燃やして走って(?)いた。
 
 
それでもまだましで最後は木炭も無くなり、まきを蒸し焼きにして
不完全燃焼させ、発生したガスを(一酸化炭素)を燃やして
走っていた。この「薪バス」は平地や下り坂はいいが上り坂は
乗 客が降りてバスを押して登る珍風景もあった。
 






Last updated  2010.05.21 12:31:00
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