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愈々庵気まぐれ日記

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2011.11.24
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テーマ:国内旅行(1002)
カテゴリ:国内旅行

明治村・帝国ホテル

今回急に思い立って犬山を訪れた理由は犬山城と明治村の見物である。

昭和30年上京しだての学生時代東京の地理に慣れるため良く都電の路面電車を

利用した。田舎者にとって日比谷公園から皇居前広場に通じる日比谷通りを通る時

公園の反対側に立つ帝国ホテルの印象は強烈で、その時空を超えた様なデザイン

に何時も見入っていたものである。昭和三十年代末にホテルの改築計画が持ち

上がり、やっと経済的に回復し歴史遺産にも関心が向くようになって保存運動が

起こった最初の例だったと思う。私のおぼろな記憶では明治村では巨大すぎて

受け入れられないとし、保存派はより多く保存したいと云うことで色々もめた記憶が

ある。結局玄関ホールと前庭部が移築展示の対象となった。今ではテーマパーク

博物館”明治村”の最奥部の一段高い場所に位置して村のシンボル的存在である。

学生時代は前を通りその壮大さに感動するだけで、あの威厳に満ちたドアマンの

ガードラインを越えて入ることなど無論論外であった。庶民は旅館で、ホテルと云う

だけで特別な人しか出入り出来なかった時代である。

 

余話であるが普通の人が帝国ホテルに入るようになったのは有名な村上シェフが

罪深き”バイキング料理” と云う語をはやらせてからである。北欧のスモーガスボード

であるが、北欧=バイキングの連想からの命名である。当時外国でバイキング料理

などと云うと、一流レストランでは「うちではそんな野蛮な料理は出していません」と

云ったことだろう。今でもブッフェ式をバイキングと云うのは日本くらいだろう。

スモーガスボード料理と云えばプロイセンの皇帝が毎年避暑に来たと云う

ノルウエイのStahlheimのホテルがが有名であるが、私が泊った日は宿泊者が

数組しかなくスモーガスボードは供されなかった。イギリス北部ニュウカッスル

からノルウエイのベルゲンに渡るフェリーでは豪華なスモーガスボードが供されたが

北海の荒波でほとんどの乗客はそれどころではなかった。私は胃弱のくせに

その時は食い意地が張ったのか当時日本ではまだ高価だったスモークドサーモン

をたらふく食べた記憶がある(余話終り)。

 

フランク・ロイド・ライト設計の世界的にも名建築の帝国ホテルは大正12(1923)年

9月1日、皮肉にも関東大震災の日に完成したという。入園して村内バスに乗り

まずこの帝国ホテルを訪れた。古い洋館の特徴として左右対称である。日本全国

にまだ多くの明治建築が残されているがほぼ全て対称性は保たれている。

それにしても帝国ホテルのこの重厚さは飛び抜けている。

 DSCN3216

西洋の石造建築では多くの場合ローカルストーンが用いられるが、帝国ホテル

では云わずと知れた大谷石が多用されている。火山岩が一度海中に没して出来た

この凝灰岩は柔らかく細工がしやすい。今でも関東地方などでは塀などに多用

されるが大気汚染には弱いのであろう表面がボロボロになった石塀を良く見かける。

DSCN3211

石段や梁などにも多く使われ荒あらしさと柔らかさを持合わせた特異な建材である。

ライトはこの栃木のローカルストーンをどうやって発見したのだろうか。 大谷地方

ではこの石材を掘った跡が巨大な地下空洞で時として上の畑が陥没したりする。

DSCN3201

ホテル玄関内から車寄せを見ても左右対称で宮殿の趣がある。

DSCN3210

大谷石と組み合わせたのが赤土や白土で焼いたデザイン煉瓦、 ただ四角い

レンガを組み合わせるのではなく場所に応じて独特の煉瓦材を特製している。

DSCN3193

DSCN3194 DSCN3195

DSCN3212

 上にも記したように大谷石は大気汚染には弱く風化しやすい石材である、

ここの展示物も再現されたものが多く、たとえば屋外の構造物は下展示品の

ように風化が激しいようである。

DSCN3213

玄関ホール2階正面部はティールームになっている。ここではコーヒーとケーキだけ

であるが、コーヒーはラフカディオ・ハーンコーヒーと称している。

DSCN3198

なんでも小泉八雲は松江で独特の入れ方のコーヒーを楽しみ友人に書き送って

いるそうだが、そのレシピーでいれた松江から取り寄せたコーヒーだそうだ。

DSCN3206

椅子やテーブルも当時の再現でライトがデザインしたものだとか。

DSCN3205

 誰も客が居なかったので中央でバルコニーの真上の席に座った。客が一人も

入ってない店には入りにくいものだが我々はその点だけはずうずうしく、サクラの

様な働きをすることが有る。この日も我々に続いて続々と人が入ってきた。

一卓しかない中央部のバルコニーの真上の席に座ると開け放たれた窓際の

席からは暖かい日差しの村の光景が眺められる。

六角屋根は刑務所、その左は聖ザビエル天主堂、入鹿(いるか)池、橋桁は

隅田川新大橋、赤レンガの名鉄岩倉変電所などが見える。

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Last updated  2011.11.24 10:43:06
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