- 風船カズラ
暑い夏とて外出も少ない、とたんにブログネタが尽きてくる。
身の回りで何か探してみよう。
我が家は8階に位置するため強風が吹き、育つ植物は限られてくる。
今年はバイオカーテンを計画してハヤトウリを植え、日陰と瓜の
一石二鳥を目指したが春先の勢いはどこえやら、
大きくて厚い葉っぱは風に弱く、全て枯れてしまった。
今は鉢の傍らに植えておいた風船カズラがその小さくて
薄い葉っぱを風にひらひらなびかせてぐんぐん成長している。
子供の頃、富山の薬売りのおじさんから貰った紙風船そっくりの
空気でで膨らんだ風船の実が沢山ぶら下がるようになった。
ベランダは書斎のすぐ横である細かく観察する機会を得た。
主幹の蔓からバイロン糸のようなしっかりした蔓が生えてナイロンネットに
捉まる、いったん捉まるとさらに枝を伸ばしてその先に小さな花を付ける。
花の後米粒大の緑の固まりを生じ、翌々日位には小さな三枚羽の鞘嚢が出来て風に揺れる。
一日経つと茎から真っすぐ伸びていた鞘嚢が垂れて来、嚢は空気を
はらんでやや膨らんで来たなと思う間もなく綺麗な風船が出来上がる。
今時の子供は風船と言えばゴム風船しか思い浮かべないであろうが、
昔風船と言えば紙風船であった。この風船は十分に空気をはらんでいて
摘むとぶよぶよであるがしっかりしている、正しく昔の紙風船の様である。
瓜類の様に実が重いとこんな細い枝蔓の先に花や実を付けることは
不可能であろうが何しろ風船である
今年植えた種は昨年散歩中に垣根から頂いてきたものであるが
ベランダから採取した風船からは3粒づつ綺麗なハート印を付けた
種が採集できる。
私はいたずら心でこの実を小銭入れに何時も偲ばせている。
小銭で払う時わざと(自然に)こぼす。そうするとお嬢さんが
「アラ!」と目を輝かす、「どうぞ、差し上げます」、「有難うございます、可愛い !!」
心地よい会話が生じる。若い娘には嫌われがちなオジンも努力はしているのである。